2014年10月11日 (土) | 編集 |

9月の偽エッセン記事です。
各人の予定がなかなか合わず開催が危ぶまれましたが、何とか末日に開催できました。
我が家の運動会が延期になっていたらアウトだったので良かったです。
表題写真は「Capitals(キャピタルズ)」。
見た目の通り自分の街を開発していくゲームです。
今回は私のルール説明が間違っていたため正しいレビュー記事になっていませんがご容赦を。
詳細なレビューが載っているひだりさんのブログも合わせてどうぞ!
ひだりの灰色:第24回偽エッセン会
詳細な内容は[続きを見る]から。

今月はフローチャートの「肉の日」が28から30日という拡大版(通常は29日のみ)だったので、美味しそうな肉メニューが色々。私は豚テキ丼を注文しました。
厚みのある割に歯切れのよい肉がジューシーで半熟卵と相性ばっちりです。
The Capitals(キャピタルズ)

市長となり、3つの時代にわたって街を発展させていきます。
時代の終わりには「万博審査」が行われ、それぞれの街がどう発展しているか評価されるので、それに向けて頑張りましょう、というのが趣旨。
名誉点を一番多く集めたプレイヤーが勝利します。
最初は上写真のように「市庁舎(茶色タイル)」と「ホテル(赤タイル)」、そして石炭を使った発電所(右にある黄色キューブの乗ったタイル)だけの小さな街です。
左にある車は「観光者」。
後述しますが、自分の街にいる「文化レベルの高い街に遊びに行きたい人々」を表わします。
ゲームは下記の流れで行われます。
・政治フェイズ(手番の順番決め)
・建設フェイズ(建物置場からタイルを1枚取って自分の街に追加する)
・観光フェイズ(文化レベルの高い街に観光者が移動)
・運営フェイズ(発電所のエネルギーまたは観光者を使って街タイルの効果を発動する)
1時代は4ラウンド。
終了時に決算(万博審査)を行い、3時代(12ラウンド)終了時に、最終決算を行います。

まず政治フェイズで、自分の手番順を決めます。
ゲームボードの隅にある「手番トラック」(上写真)を使用しますが、よく見ると上に「$3」「$2」などの金額、下に「x6」「x4」の倍率があります。
これはそのマスにコマを置くときに支払う代金の計算法。
最初のラウンドでは上の「$3」「$2」だけを払いますが、次のラウンドからは「前のラウンドにいたマスの倍率x新しいマスの金額」を払うことを示しています。
前マスの倍率が「x6」、新しいマスの金額が「「$2」なら6x2=$12になるというわけですね。
当然ですが倍率・金額ともに早い手番(上位)のマスの方が高くなっています。
例えば、上写真では赤、緑、紫、青コマの順に手番が行われますが、例えば前ラウンドで最上位マスにいた赤プレイヤーが再度同じマスを選択した場合は何と「6x3=$18」という大金に。
上位マスに居座ることは難しいので、どこで手番を下げるかというコントロールが重要になってくるシステムです。
また、マス目は人数より1つ多いため(4人プレイでは5マス)「誰も1番手にならなそうな状況だから2番目のマスでいいかな」という駆け引きも出てきます。

建設フェイズでは、先手番の人から事業エリアにある建物タイルを1枚取り自分の街に配置。
タイルの配置には2つの「建設ルール」があります。
1つ目は「工事現場マーカー(上写真の十字タイル)の隣にしかタイルを置けない」というもの。上写真では赤いタイル(ホテル)の左、右、右上の3箇所が置ける場所です。
4隅が埋まれば工事現場マーカーは他の場所に動かせるので、先を見た配置が肝要ですね。
2つ目は「同じ色のタイルは縦・横・斜め、いずれかに並べて置く」というルール。
例えば上写真の状態で、次に黄色タイルを取ったとすれば、黄色タイルの隣にしか置けません。
(最初のルールと合わせると、黄色タイルの下が適当な場所となります)。
ただし「最初の色は好きな場所で良い」ため、青タイルならばどこに配置してもOKです。
建築ルールに違反することもできますが、1つ破るにつき-2名誉点というペナルティが課せられるため、建設は計画的に行いましょう。
事業エリアの建物は毎ラウンド補充され、出てきたばかりのタイルは無料ですが、前ラウンドで売れ残ったものは+$2,+$4と値上がりしていきます。
普通は売れ残ったものが安くなることが多いので、変わったシステムですが、前述の建設ルールがあるので、それらを買わざるを得ないこともでてくるのですね。
ちなみに建物タイルは5色あり、イメージ的には「緑=住宅」「黄色=工業」「赤=観光」「茶色=公共」「青=商業」に分けられます。
また、当然、建物ごとに固有の効果があり、タイルの右下にあるマークは取ったときに変化する街のパラメータを表します。パラメータには「文化」「雇用」などありますが後述。
左にあるのは特殊能力で、「工場に隣接した/されたときに+$2」など様々なものがあります。
特殊能力は大別すると、購入した時に起こる「即時効果」、建設フェイズごとに起こる「建築効果」、運営フェイズで電力を消費して使う「発動効果」(後述)。
それ以外では、特殊なタイミングで起こる「永続効果」、終了時に得点になる「終了時効果」があります。
つまりは色々な場面でチェックを行う必要があるので、このあたりは煩雑ととるか、建築ゲームの醍醐味と取るかで好みが分かれそうです。
このあたりが複雑だと喜ぶ私は当然、後者ですが(笑)。

ゲームボードのほとんどは各プレイヤーのステータス管理に使われます。
パラメーターは「経済」「文化」「公共」「人口」「雇用」「進捗」の6つです。
「経済」はそのまま所持金を表わしています。上げるのに有効な建物タイルは「青」。
お金が足りない場合は、名誉点をマイナスして支払うこともできます(追加徴税)。
「文化」は1位になることで、下位プレイヤーの観光者コマを引き寄せたり、運営フェイズでアクションを1回追加で行うことができます(運営フェイズについては後述)。有効なタイルは「赤」。
「公共」はレベルが高いと時代終了時に「進捗」を進めることができますが、他プレイヤーと比べて低いと名誉点が減らされるというパラメータです。有効なタイルは「茶色」。
下げすぎると「経済」や「人口」が減るというデメリットもあります。
「人口」は「雇用」と密接な関係があります。有効なタイルは「緑」。
「雇用」は低いと時代の終わりに失点、高いと加点になります。
更に前述の「人口」と比較して「雇用」が低いとそれに応じて名誉点がマイナスされます。
有効なタイルは「黄色」。
また、ここが今回間違ったルールですが「雇用」は「人口」よりパラメータを高くすることができません。
雇用で点数を上げようと思ったら人口も同時に上げる必要があるのですね。
「進捗」は6マスの周回トラックになっていますが、1周するごとに発電所を新しいものに改良して発電能力を上げることができます。
発電所は早く1周したプレイヤーから性能が良いものが取れるので、このあたりも競争になっています。
余談ですが「経済」のトラックの下限が1ではなく0なので計算が微妙に面倒くさく、このあたりは(特にしのぽさんに)不評でした。
0起点にしても不都合はないと思いますが、あくまで「お金がなくなることはないよ」という意思表示のため最低でも「1」なんですかね……?

最後に「運営フェイズ」。
発電所の上にあるエネルギーコマ(黄色)を使って、発電効果を持つ建物タイルを使用します。
上写真では青タイル「Cobbler(靴の修繕屋)」にエネルギーを置いて発動させています。
効果は「経済トラックを$7上げる」。つまり7金入手なので、なかなか強力です。
必要なエネルギー数は建物によって異なりますが、既にエネルギーを置いている建物を繰り返し使うとコストが跳ね上がる仕組みのため、どの建物をどのタイミングで使うか計画が必要です。
ちなみにコストは「タイルに書いてるエネルギー数+置いているエネルギーコマ数+1」。
例えば、上写真のタイルは「エネルギー数1つ」で「2コマ置いている」ため、同じ建物を使うためには1+2+1で更に4コマを置く必要があるということ。
尚、置いたエネルギーコマは時代ごとにリセット(除去)され、また安く再利用できるようになります。
1ラウンドで使用できる建物タイル数は発電所によりますが(最初は1回)、文化トラックでトップのプレイヤーだけは「文化勲章」の栄誉として、1回多く発動する特権を得ることができます。

また「文化」トラックを上げると、各自1つ持っている「観光者」コマを奪うことができますが、これをエネルギーコマの代わりとして発電効果を使うことができます。
これは車の形をしているだけあって、毎ラウンド別のタイルに移動することで再利用でき、とても使い勝手が良いもの。
例えば、ある建物タイルを観光者コマだけで発電して、次のラウンドでその観光者コマを他のタイルに動かせば、元のタイルには「エネルギーコマがない」状態のため、安く再利用することができるのです。
上写真では、私の街の文化レベルが一番高かったため、自分(緑)としのぽさん(紫)から取った分、2つの自動車コマを使えるようになっています。
置いた場所は「工場」タイルで、その発電効果は「雇用+1」。
更に隣接している「Cobbler(靴の修繕屋)」は、「隣接した建物が発電すると$2」という特殊能力を持っているので、更に経済トラックを+$2します。
こういう建物のコンボがこの手のゲームの醍醐味ですね。
ここで妻から「何で観光者がエネルギーになるん?」という疑問がありましたが、えーと「施設は人がいなくても電気食うので来客が多いと効率的に運営され省エネになる?」強引ですね(汗)。
まぁ、普通に国からの補助と考えれば良いのかと。
偽エッセン会ではその効果から「エコカー」と呼ばれていました。

ゲーム中盤の様子。
写真を見て分かる通り、ボードが大きいためフローチャートの大きなテーブルでも目一杯。
ひだりさんとしのぽさんは自分の街を置くスペースの確保に苦労されていました。
ボードはほぼ単なるパラメータの管理用なので正直もっとコンパクトな方が、他のプレイヤーの街も見やすくて良かったかなぁとは思います。
尚、ゲームボード中央にある「人口」「雇用」パラメータにおいて「雇用」が「人口」を上回っている状況ですが(特に私の緑)、前述したとおりルール間違いです。
「あれ?人口上げてもメリットないんじゃない?」という疑問が出た時点で確認すべきでしたね……。
雇用が人口を大幅に上回っているのも変なのですが、「外からの労働者が多い街かねぇ」とか吞気に話していました(汗)
メンバーの皆さんが気を使ってくれ、このままのルールで続行していただけましたが、実際ならもっと人口の調整で汲々となるゲームのはず。誠に申し訳ないです。
「繁栄タイル」という拡張ルール(紫色の特殊な建物が登場)もあるので、また今度遊んでください!

ちなみに、展開はたる田さん(青)が発電と隣接効果のコンボで各パラメータをバランス良く上げる街。
上の写真がたる田さんの都市ですが、観光、公共ともにレベルも高いです。
ただ後半はエネルギーコマが不足ぎみで苦労されていました。
しのぽさん(紫)は前半、資金不足で名誉点を下げていましたが、中盤に取った建設効果が高いタイル(周辺や街に○○を建てるとパラメータが上がる系)で終盤かなり持ち直していました。
住宅(人口が増える)があると有利な条件もあったので、正しいルールならもっと点数を取れていたでしょうね。
こちらは発電効果もある建物があまりなかったので逆にエネルギーが余っていたのが印象的。たる田さんとは対照的ですね。
ひだりさんは前半伸び悩んで名誉点のマイナスが大きかったものの後半から観光に特化して、発電効果も使い得点を伸ばしていました。
私は中盤から観光が全然とれず、工業に特化して大きな点数を取りましたが、本来なら住宅(人口)も取る必要があったので、実際なら半分ぐらいの効果でしょうね。

私の街の最終一歩手前。これぐらいの都市に発展します。
工業と商業を利用していたので工場が多いのですが、実際のルールなら住宅も必要なので2エリアが住宅に変わっていたのかもしれませんね。
勝敗に関しては今回はノーカウントとさせてください。
最初は細かいルールやアイコン種別が色々あって面倒そうに感じましたが、主な作業は「場に並んでいる建物タイルを見て、どの手番順にする考える」ことですし、建設ルールの縛りも逆に選択肢を絞れるので、適度な悩ましさでサクサク遊べる良いゲームでした。
建物効果も突飛なものが少ないためコンボも考えやすいですね。
街作りゲームらしくソロプレイ的なのですが パラメータ上で競争があるため他プレイヤーを意識することも必要で、それによってタイル選択が単純に「強いものを選ぶ」にならないのも良い点です。
街を比較して「この街は経済が良いけど公共がガタガタだなぁ」とか盛り上がりますし。
戦略はバランス型でも特化型でも戦えそうですが、手番順が「前ラウンドで早い人から決める」ため、「経済」トラックを上げてトップを取り続けると止めるのが難しいのでは?という意見もでました。
これは確かに強力ですが、タイルめぐりにも寄りそうですし、一歩間違えると借金漬けになるので、何回か試してみないと分からないですね。
個人的に気になったところは、建物名があるにも関わらず性質が十分に生かされていないことで、例えば「駅は公共レベルが上がるが、公園だと下がる」というのはイメージと違ったり、「本屋」と「靴修理屋」のように名前が違うだけで効果がまったく同じタイルあるところが、街作りの没入度として考えるとイマイチでしたね。
「本屋なら商業タイルにも関わらず文化レベルも上がる!」とかの方が萌えるのですが(病気)。
このあたりは同形ゲームのサバービアの方が、色とシンボルで効果をまとめていて上手く雰囲気を表現できてるように思えました。
色々言いましたが、イラストの雰囲気も良いし総合的に考えるとよくできた街作りゲームと言えると思います(タイル裏面の印刷ずれがあるのはちょっと気になりましたが……)。
ただ、今のところ国内での取扱いはないのですよね。
単品で手に入れるなら現状ではアメリカアマゾンが一番安いと思います。
今回はエッセンやGMのお話もできて楽しかったです。
もう10月はエッセン、11月はGMなんですね。ゲーマーとしては気もそぞろな季節ですね。
| ホーム |