2014年03月03日 (月) | 編集 |

2月分の偽エッセン会です。今回は普段通りの4人体制。
雪の予報もあり開催が危ぶまれましたが、降らずに済んで良かったです。
当日は職場を出る前にトラブルが起き「不参加か遅刻か」と焦ったのですが、思いのほか早く解決して無事フローチャートに向かうことができました。
表題写真はひだりさん持ち込みのゲーム「マフィアシティ」です。
詳細レビューが載っているひだりさんのブログも合わせてどうぞ!
ひだりの灰色:第16回偽エッセン会
詳細な内容は[続きを見る]から。
ギシンアンキノトウ

たる田さん、しのぽさんが遅れるとのことで、フロチャの備品でひだりさんと遊ぶことにしました。
選んだのはカワサキファクトリーさんの同人ゲーム「ギシンアンキノトウ」。
6本の塔の上にキューブを置いて陣取りを行う2人用対戦です。
塔の側面には黄色の面がありますが、その数は塔によって異なり、「4、3、2、2、1、0」面の6種。
2面の2つも「隣り合わせ」と「向かい合わせ」なので配色パターンはすべて異なります。
この黄色の面数が得点になるのですが、自分側からは2面しか見えず、ここから隠された相手側を推測するのがゲームの肝となります。
例えば上写真では、中央の奥にある塔は黄色が2面見えていて、他に2面ある塔はないので、これは「4」と断定することができます。
同じ理論で右手前の黒2面の塔は「0」となり、残りの4本が「3、2、2、1」のいずれかということになります。
ゲームの流れは、
(1.) 互いに塔の数字を1本だけ密かに確認する
(2.) 順番に自分のキューブを1個づつ塔の上に置く
(3.) 塔にはキューブを2個まで積むことができ、上に置いた方が所有者になる
(4.) 塔は2本しか所有することができず、すでに2本を所有していたらキューブは置けない
(5.) 互いに2本の塔を所有したら得点公開
所有した塔2本の黄色面が多い方が勝利ですが、「2」の塔を両方所有すれば得点に関係なく勝ち、という逆転ルールも用意されています。

数回遊び、ひだりさんが勝ち越した状態でたる田さん、しのぽさんが到着しましたが、面白さが分かってきたところだったので最後にもう1試合させてもらいました。
このとき、ひだりさんと
「2・2塔での勝ちがなかったので、ブログ的には1回ぐらいやってみたいですねー」
「でもたぶん難しいんでしょうね」
という会話をしたのですが、こう言う前フリがあった以上は、私はもちろん、ひだりさんも「2・2」勝ちを密かに狙っていたものと思われます(笑)
最初に1本だけ塔の点数を見ることができるのですが、先手のひだりさんは(私から見て)左手前の塔、私は左奥の塔を確認しました。
塔の底には数字が書いているのですが、これは「1」であることが分かります(上写真:ピントが合わず、ブレてすいません)。
ひだりさんが見た塔は、私から見て黄2面なので「4」か「3」のどちらかだったということになります。
確認した後に「当てが外れた」的なことを仰っていたのですが、黄2面をチェックして「4」が分かったら上出来でしょうから、ひだりさんは黄1面をチェックして「3」だったという推測ができそうです。
また黄1面をチェックしたということは、「2」の所在を確認したかったとも考えられますね。
一方、私は「2」の位置を知りたかったのですが、黄1面が右手前以外にないため、これが「2」の塔だと確定(「1」だと、向かい合わせの「2」が他にあることになり、もう1本黄1面が見えるはず)。
ということは、もう1本の「2」は3本の黒2面のうちどれかなので、左奥をチェックした次第です。
これが「2」だったら楽だったのですが、残念。

ひだりさんが青キューブ、私が赤キューブ。
ひだりさんの初手は右手前。私はこれが「2」であることが分かっているので、その上に赤キューブを置いて所有権を決定させます。
私のこの動きで、ひだりさんも「2」を取られたことが分かった模様。
次にひだりさんが青キューブを置いたのは右奥。
私から見ると2面黒なので「0」か「2」のどちらかです。
ひだりさん側から見ると黄0か2面ですが、黄0だとしたらひだりさんに取るメリットはないように思えます。
(ひだりさんから見ると塔は黄2、2、1、1、1、0面に見えるため、0の位置は分かっているはず)。
そう考えると、ここはひだりさんは黄2面の「2」か「4」狙いで置いたと考えられます。
つまり、この塔は「2」……!

罠かもしれないと逡巡しましたが、えーいままよと右上に赤キューブを重ねました。
これで私は2本の所有者になり、ひだりさんは「3」「4」の塔に青キューブを置いて終了。
結果は、私が何とか「2」「2」の塔を取ることができ、勝利することができました。
この回は配置で分かる情報が多くて有利でしたが、最後が「0」なら当然、負けていましたね。
感想としては、適度な論理推理、バクチ、読みあいが重なった好ゲームで、ゲームマーケットで購入できなかったのを悔やみました(再販希望!)。
特に「2・2」勝ちルールが良くできていて、高い点数の塔を取る以外の選択肢が常につきまとうことに感心します。ルールを解決するためのコンポーネントもスマートですね。
配置によっては手がかりが少ない場面もあり、最終的な2択3択で「適当に置くしかない」となってやや盛り上がりに欠けるパターンもあったのですが、本来のルールは「3勝先取」なので運は平均化されるでしょうし、それまでの相手の行動から読みあうことも可能でしょう。
「どう考えたか」という過程を互いにあらためることによって楽しさが増しそうですが、記録を取って感想戦まで行うと気軽には遊べなくなってしまいますかね(汗)
マフィアシティ(Mafia City)

次はメインのこのゲームを4人で。
名前を知らないひだりさん持ち込みゲームを見るとキックスターターのタイトルか?と思ってしまいますが、これは店で購入したとのことです(笑)
7つのエリアに分かれた都市でプレイヤー達のマフィアが勢力争いを行います。
順番に1枚づつ「手下チップ」を好きなエリアに配置し、全員置き終わるかパスをすると1ラウンド終了。
それぞれのエリアの手下チップ枚数をチェックし、一番多数の人が1ポイントを得ます。
同じ枚数の場合は、より下に(つまり先に)チップを置いた人が勝ちとなります。
各エリアにはそれぞれ特殊な効果があり(手下チップが1枚増える「ファイトクラブ」など)、多数を勝ち取ったプレイヤーはその効果も受けることができます。
ポイント獲得後には、各区域から手下チップをどれぐらい引き上げるか(または残すか)選択し、次のラウンドがスタートします。
4人プレイでは13ポイント先取で勝利ですが、今回はスタートが遅れたこともあり、ショートプレイの8ポイント先取ルールで行いました。
緑=私、黄色=しのぽさん、青=たる田さん、赤=ひだりさんでスタート。

プレイヤーはそれぞれ手札を持ちます。
カードには「マーク」と「カード名」が書いてありますが、それぞれで異なる特殊効果があり、どちらを使うか選ぶことができます。
マークの効果は、配置中に手下チップを1枚手元に戻せる「帽子」、パスした後に1回行動できる「銃弾」、紳士クラブの区域で勝つとポイントが+1される「+1」、2枚セットで相手のアクションを妨害できる「格闘」の4種類。
カード名の効果は、相手の手下チップを刑務所に入れる(1回休みにする)「密告」や、カードを盗む「コソ泥」のような直接攻撃や、それを妨害する「警察署長」「FBI」の防御、他にもカードを増やす「取引」や手下チップの多数争いで有利になる「密約」など様々です(全12種類)。
関係ないですが、マニュアルに載っているカード一覧が、効果よりもフレーバー(「殺し屋には良心の呵責などはない」のような雰囲気を出すためだけの文章のこと)が目立つように書いてあって読みづらいです。
せめて文頭に乗せなければ良いのに(汗)

スタートプレイヤーの私は取り合えず手下ワーカーを増やそうと「ファイトクラブ」に手下チップを置きますが、考えることはみんな同じで、あっという間にチップが積みあがっていきます。
しかし最初に置いたアドバンテージがあるので、これなら勝てそう……と思ったところ。

ひだりさんに「シャドウゲーム」というカードを使われ、ファイトクラブと中央の区域(波止場)とで一番下にある手下チップを交換されてしまいます。
これで波止場ではポイントが取れるようになったものの、ファイトクラブでは手下チップが1枚減り、一番下でもなくなってしまったので、一気に不利になってしまいました。
波止場の効果は、暗殺者(黒い帽子のフィギュア)を操作して相手の手下コマ1つを殺す(ゲームから破棄)ことができますが、暗殺には「殺し屋」カードも必要なので使えず……。
一方、たる田さんはカードを増やせる「ビジネス街」、しのぽさんは相手の手下コマを拘留(1回休み)できる「刑務所」に手下チップを送り込んでいます。

私は「警察署」でのエリアでも勝ったので、警察官を手に入れました(写真右下の青フィギュア)。
相手の手札をいつでも見られる効果があるのですが、毎回全員をチェックするのが面倒で、しかも攻撃的な手札を使わない限り相手の手札を知ってもあまり意味がないので、結局ほとんど使いませんでした(汗)
うむむ、カード効果と陣取るエリアの食い合わせが悪いですね。
トップを叩こうとすると、牢屋主(違う)であるしのぽさんに手下を拘留されてしまいますし。
中盤の状況としては、しのぽさんがリードして、ひだりさんとたる田さんはカードや手下チップを増やして力を溜めている状態。
特にひだりさんは「ポイントが一番低い人はラウンド開始時にもらえるカードが多くなる」というルールを利用して、わざとポイントを取っていない感じです。
中途半端にポイントを取っていて、手下チップやカードを増やせてない自分が出遅れていることになりますが、こういう状態になると巻き返しづらいです。
ラウンド終了時に手下チップを戻すかどうかはこのゲームのポイントで、残しておくと次のラウンドでチップが下に残るため陣取りで有利になりますが、他の場所に置けるチップは当然減ります。
私は最初で良いエリアが取れなかった以上、全ての手下チップを一旦引き上げてビジネス街かファイトクラブに費やすという作戦を早いタイミングで行うべきでしたね。

最終ラウンド。
1位しのぽさん。2位私、3位たる田さん、4位ひだりさん、ですが、3・4位が追い込んでくる気配。
自分はどこに置いてもキングメーカーになりそうな感じでしたが、ひだりさんとしのぽさんが競っているので、たる田さんの妨害をすることにしました。
今考えると、ひたすら自分の陣地を固めて3人を争わせたほうがチャンスがあったかもしれませんが、どのみち手下チップが少ないので延命的です。
その間隙を縫って、ひだりさんが紳士クラブ、市庁舎を押さえ、「シャドウゲーム」でたる田さんの妨害を行って一気にポイントを稼ぎ、追い込みの勝利。
たる田さんも「シャドウゲーム」を使って警察署を抑えたのですが、代わりに刑務所を抑えて私の手下コマを拘留していれば8点に届いたようで、接戦でした。
しのぽさんは中盤でカードを消費してしまったのが痛かったようですね。
カード効果を覚えるのに少し時間がかかりましたが、それ以外はシンプルな陣取りゲームです。
値段にしてはコンポーネントが良く出来ていて見た目の満足感がありますね。
ゲームの最初は派手な殴り合いになるかと思いましたが、攻撃や防御カードは他の使い方もできるので派手に消耗するのは得策ではなく、結果じっくりとした展開が多くなりました。
それでも攻撃的なマルチ(多人数)ゲームなので先行逃げ切りは難しそうで、終盤に向けて力を増やしていくことになると思いますが、その分ちょっと中盤が弛みがちに感じました。
(マフィアのにらみ合いを表現していると考えると、なかなかリアルなのですが)。
カードの効果を覚えた2回目以降はもっとテンポ良く進むと思いますが、ロングの13ポイント先取は少し長いような気も。
上級者用と謳っているので、この方が先制プレイヤーは抑え気味に、後追いプレイヤーは引き離されないようにするマネジメントを要求され面白くなるのかもしれませんが、こればかりは再戦してみないと分からないですね。
ポルターファス(Polterfass)

帰りまで残り40分ぐらいだったので、私持ち込みのこのゲームを遊びました。
「店主がどれぐらい酒を準備できるか、客が賭ける」という風変わりなテーマです。
店主となるプレイヤーが樽型の変形ダイスをダイスカップに入れて降ることで酒の量を決定し、他のプレイヤーはその出目の合計がいくつになるか予想して秘密裏に注文を入れます。
ダイスは樽の形をしているため「倒れる」か裏表のどちらかの数字が出るようになっており、裏表は合計すると11になるようになっています。
後、最初に断っておきますが、写真のチップは得点記録用に私が持ち込んだGP社のプライムポーカーチップです。
コンポーネントではありませんので悪しからず。実際はシートに得点を書き込んでいくタイプです。

まずは店主が樽ダイスを1投し、立ったダイスは横に退かして取っておきます。写真では「7」「4」「5」「6」が出ているので、合計は「22」。これが店主が用意した酒の量になります。
コースターに残ったダイスには白以外に「茶色の樽」がありますが、これは「1つの樽の数字を倍にする」「1つの樽の数字を無効にする」という効果が裏表に書いてある特殊なダイスです。
これを横に取っておくかどうか(使うかどうか)は振り手が決めることができます。

1投後、他のプレイヤーは酒がいくつ準備できるかを予想し、伏せたカードによって注文します。
カードは「0~7」の数字があり2枚まで出せますが、「0」の数字があるため、2枚だしたからと言って高い数字だとは限りません。
店主はこの注文の様子を見た上で、再度、残りの樽ダイスを振って酒の量を上乗せするか、ここで準備をやめるかを決定します。
ただし振りなおしをした場合、樽ダイスが全て倒れていたらバーストで店主が損をします(後述)。
酒の量が決定したら、客の注文を合計して比較します。
●酒の量より、客の注文が少ないまたは等しい場合
・客は注文した分の酒をポイントとして得ることができます。
・店主は「酒の量 - 客の注文」の分だけポイントを得ることができます。
(例:酒の量が30、注文の合計が20なら、10ポイント)。
●酒の量より、客の注文が多かった場合
・一番多く注文した客はその分だけマイナス点。
・一番少なく注文した客は「一番多く注文した」人の分だけポイント獲得。
・店主は酒の量すべてをポイントとして得ることができます。
(例:酒の量が25、客の注文がA:7、B:10、C:10なら、店主が25ポイント、客Aが10ポイント)。
●店主が振りなおしで樽を倒してしまった場合(バースト)
・客は注文した分だけポイント。
・店主はポイントなし。
つまり店主は、客の注文が少ないと思ったら酒を多く準備し、多いと思ったら酒を少なく準備するわけです。
客は他の注文もにらみ、オーバーすると思ったら少なく注文し、範囲内だと思ったら多めの注文を狙います。
75ポイントを獲得した人がいたら終了で、一番ポイントが多い人が勝利します。

ゲームスタート。
私が最初の店主で1投目が樽4個で合計は22。残りの樽ダイスは5個もあるので躊躇いも無く振りなおしましたが、カップを開いてみたら、立ったのは1個だけ!危ない!!
樽は不安定な形状のため、倒れるときは意外と倒れてしまいます。
立ったのは「樽の目を1つ無効にする」の特殊樽だったので、酒を増やそうとする作戦はやめて、ここは逆に「4」の目を無効にして、「18」まで酒の量を減らします。
これで上手く他のプレイヤーを注文オーバーさせることができ、18点ゲットです。

その後、しのぽさんやひだりさんが店主でバーストするなど波乱がありながらも、皆さん上手く要所で賭けてポイントを加算していきます。得点はだいたい横並びに。
私は2回目の店主で勝負をかけるべく酒の量を増やす作戦に出て写真の通り、8本中7本を立てて33!
注文を倍近く上回り、高得点を得ることができました。

しかし、その後は他プレイヤーの追い込みがあると予想し、注文オーバーを期待して低い注文を出すものの、皆ギリギリでオーバーしない上手いビット(賭け)をして高得点をゲット、追いつかれてしまいます。
そして時間的にこれが最終ラウンド。ちょうど2回づつ店主が回ってひだりさんの番。
トップはしのぽさんで69点、次に私67点、たる田さん、ひだりさんの順。
ひだりさんは現時点で51点ですが、店主なので大量点のチャンスがあります。
そんな状況で、ひだりさんが上写真のように酒の量を抑え25点。
客の注文は、10、10、7で27点。客のオーバーで25点をそのままゲット!
届かないと思われた76点に到達し、大逆転勝利となりました!
と思ったら、冷静にビットをしたしのぽさんが一番低い目を出したので+10点。
79点でしのぽさんが再逆転勝利をしました(笑)
以前遊んだ同メーカーの「地獄の釜」が面白かったのですが、我が家としてはプレイ時間が長すぎたため、代わりに購入したゲームです。
地獄の釜と比べると大雑把さはありますが、期待通りサクサク遊べて、樽型ダイスも可愛いのがポイント。
カップを開ける緊張感も良いですね。
「店主が注文分の酒を準備できなかったらポイントなの?」など状況を考えると不可解なルールが多く直感的でないのがファミリーゲーマーとしてマイナスですが、まぁ愛嬌ということで……。
得点差が開いたときのバランスは懸念点ですが、今回接戦になったこともあり、私は結構気に入りました。
子どもとも遊べそうなので(テーマはアレですが)、機会があったら我が家でも出してみたいですね。
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