2013年12月23日 (月) | 編集 |

前記事と前後しますが11月下旬に行われた定例のエッセン会です。
今月はいつもの通りフローチャートで行われました。
メンバーは、たる田さん、しのぽさん、ひだりさん、私の4人。
今回はゲームマーケット2013秋のゲームを遊びました。
写真は今回のメイン「ジェムクロックス(Gem c'Rocks)」です。
詳細なレビューが載っているひだりさんのブログも合わせてどうぞ!
ひだりの灰色:第14回偽エッセン会
詳細な内容は[続きを見る]から。
犯人は踊る

最初に遊んだゲームは鍋野企画さんの「犯人は踊る」です。
テーマに惹かれたものの「カード枚数少ない+推理系はたくさん持ってるから良いか」とスルーしていたのですが、評判が良く気になっていたので、たる田さんに持ち込みをお願いしました。
各自手札4枚から1枚を順番に出していくのが基本ルール。
いくつかのカードには特別な効果があり、出したときに発揮します。
例えば「犯人」なら最後の1枚で出せれば勝利、「探偵」は「犯人」を持っている人を指摘できれば勝ちです。
ただし「犯人」でも「アリバイ」カードを持っていればセーフという捻ったカードもあります。
他にもカードを強制的に交換する「うわさ」や「情報交換」のような効果もありますので、数々のカード、特にキーとなる「犯人」は文字通り踊るようにプレイヤー間を渡ります。
危険な「犯人」を「ジョーカー(ババ)」と考えればババ抜きにも少し似ているのですが、「犯人」にも独自の勝利条件があるのが面白いですね。

今回はこの卓に関心を示していただいた方(仮にAさんとしておきます)が、人待ちで時間があるということで一緒にプレイすることになりました。
この手のゲームは人数が多い方が面白そうですし、何よりこのようにゲームを愛好する方と出会いがあったことがとても嬉しいですね。
1回目はスタートプレイヤー「第一発見者」であると同時にいきなり「犯人」カードがあり、このまま逃げ切ってやるぜ!と内心息巻いていたのですが、ランダムで時計回りに1枚カード交換する「うわさ」を出されあっさりAさんに渡ってしまいました(笑)
その後1周して、再度自分の番。「犯人」の可能性はAさんか、その次に座るひだりさんなので、「探偵」カードで指摘すべきですが、果たしてどちらか…?
Aさんは自分が犯人でないことをアピールして、ひだりさんは平然としている感でしたが、「大丈夫そうなひだりさんは怪しいひだりさん」という自分の勘にしたがって、ひだりさんを指摘。
見事、推理(?)的中となりました。
2回目は自分とは関係ない反対側で犯人が回っていたらしく、たる田さんが1人の手札を見られる「目撃者」を使い、しのぽさんに「アリバイ」カードがないことを確認した後「犯人を渡す→探偵で指摘」という作戦で勝利されていました。
これは軽いですが、想像していたより色々な要素があって楽しかったです。
公式ページには「キングオブミステリー」という点数をつけて数ラウンドで勝負するヴァリアントも公開されており、このルールだと協力して犯人カードをトップの人まで渡したりする展開もありそうで、一層面白くなりそうですね。
ジェムクロックス(Gem c'Rocks)

次も同人ゲームで評判の高い、高天原さんの「ジェムクロックス(Gem c'Rocks)」を遊ばせて貰いました。
各プレイヤーは色々な種類の鉱石を商人から買い集め、カットして宝石のセットを作成、ゲームの最後に各国に献上して勝利点を得ます。
四角いタイルを円形に並べたものがゲームボードです。
商人コマは中央付近のタイルからスタートし、渦巻き状に全てのタイルを移動します。
(つまり内側から外側に向けて巡るという訳ですね)。
商人がいる場所には、そのタイルに描かれた種類の鉱石が2つ置かれ、周辺のタイルには鉱石が1つ置かれます。
これらを競りによって購入することになります。
競りの方式は3種類で、「いっせいのせ」で出すコイン数を決める握り競り、順番に1回だけ値付けをする1巡競り、勝者が決まるまで1枚ずつコインを上乗せする競り、やはりタイルに描かれたマークでいずれを行うかが決まります。
競りで順位が決まったら、1位→2位→3位→1位の順番で好きな場所の鉱石を全て取ります(4人時)。
つまりトップは2回購入でき、4位は1つも購入できない徒労に終わる訳ですね。
尚、ここで買われなかった鉱石は次回に持ち越されるため、人気がない鉱石でも数が溜まって競争率が高まる形になっています。

またお金のシステムがユニークで、所持するコインはついたての裏に隠し、競りで使った分だけ外に出しておきます。
コインが必要な場合は、ラウンド終了時に使用済みコインをついたて内に戻して再利用することができますが、何とその時に1枚を失ってしまうのです!
つまり総額が1枚減るわけですが、このゲームではコインを増やす手段がほとんどないので結構厳しいのですね。
よって、できるだけ使ってギリギリで回収したいのですが、競りで勝つためにはコインをついたての中に戻しておきたいし……というジレンマがあります。
また当然、相手のついたての外にあるコインも数えられるので、「ならば相手が使えるコインは○枚だろう」という足元を見た作戦も立てられます。
たった、これだけのシンプルなシステムで戦略に奥行きを出しているのは素晴らしいですね。

ゲーム開始。
第一ラウンドの握り競りで、私は3金か4金が考えた挙句3金を出し、4位になってしまうといういきなりのコイン無駄撃ち。いつも競りゲームはケチって負けているのを忘れていました……。
これで懲りた私は、鉱石の数を増やすよりも競りを絞ったセットコレクションに切り替えることにします。
鉱石は、細工師カード(最初から持っていたり、コイン回収時に貰えたりする)に書かれた鉱石を集めることで宝石としてカットされ、カードに書かれた価値を得ます。
この時、カードに書かれた2つまたは3つの鉱石を全て埋めると、価値が+2または+3されるため、セットコレクションが重要だと考えたのです。
よって、自分が欲しい宝石だけ勝負し、そうでない時は早々に降りてコイン節約をすることに。
一方、鉱石の数にこだわってガンガン購入するのはたる田さん、ひだりさんも狙いを絞った競りのようで、しのぽさんは流れを見て取れる時は取るプレイスタイル。

また競りで取れるのは鉱石だけでありません。
都市タイルには特殊効果カードが置かれ、これも鉱石と同じく競りの対象になるのです。
私は運良く、誰からもノーマークになっていた特殊カード3枚をゲット。
特に「貴族からの援助」という3枚集めれば5点になるカードが2枚あるのが強いです。
最終的な点がそれほど高くならなそうなゲームで5点はかなり重要だと読みました。

緊迫の握り競り。
ひだりさん全力の6枚に対して全員0枚。1枚でも勝てたところ6枚もコインを使ってしまった訳でこれは痛い!
まぁ私も1枚出せば2位のところ4位になっているので(同点の場合はスタートプレイヤーからの席順で決まる)密かに失敗なのですが(汗)
しかしワンハンドでブレずに写真を取るのは難しいですね……。修練が必要です。

自分のセットコレクションはブラックオパールが複数必要なので、商人がそのタイルにくるタイミングでコイン回収し、競りに挑みます。
自分がオパールを多く持っている分、他の人には不要だったせいか、楽に購入できてラッキー。
こういう時に1巡競りの最後手番だと非常に助かります。

ゲームは終盤に突入。
宝石はそれぞれ価値が異なり、価値が高いものは産出される場所も少ないので競争率も高くなります。
ここまでくると手持ちのコインもそれぞれ少なくなっているので、どこで回収してどこで勝負するか肝要になってきます。
終盤になるほど手持ちのコインが少なくなるので計算しやすくなり、その分タイミングや駆け引きが重要になってくるのが面白いですね。

競りラウンドが全て終了した後、宝石を4つの国どれに分配して献上するかを秘密裏に決めます。
そして相手プレイヤーと比較し、評価が高い1,2,3位までの人がそれぞれの順位に応じた点数が入ります。
国はそれぞれ「クサツ:価値3位以上でないと受け取らない」「スズカ:カードの宝石全て埋めたものでないと受け取らない」「アイチ:価値ではなく個数が評価になる」「イシカワ:どれでも良い」と特徴があるので、それを考慮しつつ配分を決めなければなりません。
私はセットが重要なスズカ国に注力。ここで入る点数は「12・11・3」と最大なので取れれば大きいです。
アイチも点数が大きいですが競争率高そうなので1枚のみ。
クサツが適当な宝石がなかったので1枚のみ。他はイシカワに献上しました。

結果は、スズカで1番、イシカワで2番、クサツで3番で23点。2位でした。
勝者はスズカで2番、アイチで1番と高得点を確実に取ったたる田さん。
スズカは2番になっても1点しか差がないため、宝石セット1枚をクサツにまわせば上回れたかもしれませんが、スズカで3番になってしまうと3点とがくっと点数が減ってしまうので怖かったのですよね~。
ゲームは評判通り、とても面白かったです!!
システムもすっきりしていますし、先を読んだコインコントロールも楽しく、コインの所持数・欲しい宝石によって頑張るところや気を抜けるところなど展開に起伏があったのも好印象です。
競りの緻密さに対して、献上部分は相手の情報(セットコレクションをどれだけ持っているかなど)があまりないため賭けぎみになるところは、大味ととるか逆転要素ととるか分かれそうですが、最後に盛り上がりところを作る意味では良い感じですね。
細工師カードが大量になってしまうため、ついたてに隠し切れないのがちょっと欠点ですが、これは相手のついたてをあまり見ないようにするしかないですかね(ちょっと見えたぐらいでは致命的になりませんし……)。
あとガーネットとルビーの絵柄が似ているので、フロチャのような薄暗い場所ではちょっと見分けにくかったです。
eight epis

最後に残りの時間で私持ち込みの「eight epis」を遊びました。
カナイ製作所さんの新作ですが、まだテスト版ということでシートから自作するタイプでの販売。
かっこいいカードバックをつけて工作してくれた妻には感謝します。
内容は協力型のダイスゲーム。
ファンタジーな世界観で、英雄8人がとある1つの世界を救うために立ち上がります。
尚、コンポーネントは自分で調達する必要があるのですが、ダイスは「ベガス」(1家に1個あると便利!)、木製の円盤は「スチーム」(汽車コマを買ったので不要になった)のものを使っています。

4人だと2キャラクター担当になるのですが、ランダムに引いた結果、私の英雄は「魔女」と「大将軍」。
英雄にはそれぞれ「武勇」「魔力」「技術」というパラメータがあり、その分だけサイコロを多く振ることができます。
例えば、「魔力」を使う場合、魔女は9なのでサイコロを9個振れますが、大将軍は3なので3個しかサイコロを振ることができません。
また英雄には「特技」というものがあり、ゲーム中で1キャラ2回だけ使用することができます(例外あり)。
特技にはキャラクターによって、振るダイスの数を増やしたり、ダイス目の数字を上下したりと個別の能力があるのですが、これは自分だけでなく他のキャラクターが行動している時に使うこともできます。
これにより互いに得意な力を生かし、協力する要素が出てくるのですね。

災厄カードは全部で8種類ですが、そのうち5枚をラウンドごとにランダムに引いて使用します。
つまり全部で5ラウンド。
災厄には、解決するのに必要な能力と達成値が描かれています。
達成値は15などの数字で示されており、災厄を回避するために「0」以下にしなくてはなりません。
解決するためには英雄が1人づつ挑戦し、ダイスを振ります。
例えば、「隕石落下」は、「魔力が16以上で達成値-1」「魔力が32以上で達成値-2」とノルマが書かれており、英雄がダイスを振ってそのノルマを達成できればその分だけ、達成値を減らすことができます。
ダイスは3回の振り直しが認められ、振るごとに好きな数だけダイスを確保できるシステムです。
ただし、1投のうち、最低1つはダイスを確保しなくてはなりません。
尚、英雄は挑戦すると「行動済み」となり、そのラウンドは再挑戦することができません。
全員が挑戦しても達成値を0にできない時は、敗北となります。

プレイすれば分かるのですが、「魔力」が必要な災厄では、大将軍などの魔力が低い英雄では非常にキツイです。なんせダイス3個で、最低でもノルマ16以上を出さないと達成値を減らせませんからね(汗)
こうなると魔力が高い「魔女」などで可能な限り高いノルマを達成したいところで、ダイスを振る手にも力が入ります。
「ダイス運が悪い」と自認する私とたる田さんですが、今回はなぜかひだりさんも低い目を連発します。
そんな男連中を尻目に、サクサクと世界を救っていくしのぽさん(笑)
序盤は特技を使わないといけないシーンが多く「これはキツイのでは?」と思いましたが、後半は出目も良くなり、私も「1.1じゃなければクリアなので楽勝……1.2!!やばかった!」という感じで無難(?)に突破。
災厄では、単に大きい数字を出すだけではなく「同じ数値x個」というノルマもあり、こちらの方がコントロールしやすいですね。

キャラクターには「特技」の他に、死をかけた「奥義」という超強力な技があり、これを使えばクリアできることが後半は見えていたのですが、「全員生き残ればトゥルーエンド!」と勝手に決めて奥義封印で挑戦。
無事、最後の「世界崩壊」もクリアして世界を救うことができました。
ダイスをジャラジャラ振って一喜一憂するのが楽しく、協力として盛り上がります。
「奥義」を使うとクリアしやすくなるので難易度は低めですが、このあたりはパンデミックのように難易度調整できると嬉しいですね。
製品版が発売されるのが楽しみです。
あとゲーム評とは関係ないですが、偽エッセンでは協力ゲームは初めてで、いつも戦っている相手が協力するジャンプ戦闘漫画的な嬉しさもありましたね(笑)

最後に妻が作成したカード背景を載せときます。
フリー素材を2分割して災厄とキャラクターカードに割り振り、下端にロゴを記しました。
キャラクターの方に星が見えるようにしたのがポイント。
以上、今年の偽エッセンも残すは後1回。
年末に行われる予定の大偽エッセンの記事でお会いしましょう!(今年中に書き終わるのか……?)
| ホーム |