2013年02月11日 (月) | 編集 |

1月末に開催したばかりですが、2月は早めにという総意で先週の水曜日に行われました。
メンバーは前回と同じ5人。
大雪予報のため開催が危ぶまれましたが、結果的にはほとんど降らず、夕刻には傘すら不要に。
参加者の行いがよほど良かったのですね?
写真はたる田さん持ちこみゲーム「ニューアムステルダム」。
ではなく、作者アラーズの代表作「もっとホイップを」……でもなく、フローチャートの「なごやんピッツァ」。
以前から気になっていましたが、やっと注文することができました。
ピザにも関わらずチーズより八丁味噌が強く主張しており、海老天まで乗っている和風テイスト。
濃い味付けで、これも美味しかったです。
この会はひだりさんも詳細なレポートを書かれていますので合わせてどうぞ!
「ひだりの灰色:第5回偽エッセン会」
詳細な内容は[続きを見る]から。
[ニューアムステルダム]
何かと話題になるホワイトゴブリンゲームズの新作タイトル。
オランダのメーカーだけあって、今作のテーマはニューアムステルダムでの開拓です。
17世紀、現在のニューヨークは自然に恵まれていたため、オランダが毛皮交易の拠点とすべく植民地とし、マンハッタン島南端をニューアムステルダムと命名した歴史があります。
プレイヤーは管轄を任されていたオランダ西インド会社のお抱えとなり、名声を得ることで植民地の総督を目指すのです。
たる田さん(赤)、しのぽさん(黄)、ひだりさん(青)、ちきさん(橙)、私(緑)でスタート。
要素が多いのでインストにも時間がかかります(たる田さん、ありがとうございました)。
ざっくり言うと、このゲームには3つのアクションがあります。
街 …… | 街に事務所を建設する or 選挙を行う。 街は6エリアに分かれており、その中で事務所を多く構えることでより多くの現金収入と、選挙の実施による名誉点を得ます。 |
土地…… | 土地の入手 or 開墾を行う。 入手した土地を開墾することで、名誉点と伐採による木材の獲得、食料(コーン)の収入が確保できます。 |
交易…… | 原住民であるレナペ族から毛皮を購入 or 毛皮の出荷を行う。 商品と交換することで毛皮を入手し、船で出荷することで名誉点と現金の獲得、商品収入が確保できます。 |
他にもお金を払うことで可能な追加アクションが6種類あり、お金を木材や食料(コーン)に変えたり、交易や土地で使える特殊な建物を設置することができます。

それぞれのアクション実行権は競りを行うことで入手します。
上写真のボード右手前を見ると大きな木箱のイラストがありますが、そこに円形タイルをランダムに並べ、縦の列に対して入札を行うのです。
タイルは「橙色=街、白色=開拓、青色=交易」で、例えば一番左の列を競り落とせば「交易3回」の権利を手に入られるのです。
競りの手順は以下の通り。
(1.) 手番が一番早いプレイヤーが1列を指定し、入札価格を提示
(2.) 手番の順番で他のプレイヤーが上回る価格かパスを宣言
(3.) 一番高い値を付けたプレイヤーが落札
(4.) タイルを手に入れたプレイヤーは、そこで競り終了
(5.) 残りのプレイヤーで(1.)から繰り返し
これを全員がタイルを手に入れるまで行います。
よくある手番順の1発競りですが、ユニークなのは「コーンや商品などの資源も競りの代金として使える」ことで、当座のお金がなくても競りに参加できるのです。
また競りに勝った人から、そのラウンドのアクションをいち早く実行することができるルールもあります。
私は「土地」と「交易」の相性が悪いことに注目。
土地を開発し続けると、原住民の住居が奥地に追いやられ、毛皮を手に入れるコストが上がるのです(具体的には食料が必要になる)。
よって、どちらかに絞るべきですが、ここはやはり『ボードゲームはコーン超重要』の定理(?)により「土地」狙いに決定。
毎ラウンド必要な食料が定期的に入るのは美味しそうです。
残る「街」はエリアマジョリティ(多数が勝ち)なので、後半から参入するのが難しいと考え、早い段階で乗り遅れた場合だけ注力することにしました。

第1ラウンドの競りはスタートプレイヤーの私から。
相場が分からないので難しいところですが、このメンバーでヌルい価格を出すと攫われると考えて強気の7金(全財産の1/3以上)をコール。
首尾よく土地2枚と街1枚のタイルを獲得しました。
これでも思案顔の人が多く、特にしのぽさんはコール一歩手前という感じだったので「あと1金上げればよかったか?」と内心震えていましたが何とかセーフ。
他にも「交易3枚」という美味しい物件があったのが幸いしたようです。
また、この7金を排出するために、初期資源の商品4つをいきなり1ラウンド目で使い果たしたのですが、これは交易で使う資源なので自分には関係ないと思ったのです。
しかし、この思い込みが後半のミスにつながるとは思いもよらず……。

ボードの左下は街になっています。
ゲームスタートの前には、エリアごとに事務所を2つ置くのですが、私は緑のエリアに2つとも集中させました。
なぜなら、街の6エリアは、それぞれ6種類の追加アクションに対応しており、該当のエリアで多数を取っていれば、1金が必要である追加アクションが無料で可能になるのです。
緑エリアは「土地に製粉所を建てる」という行動で、「土地」で戦うためには必須のアクション。
事務所は毎ラウンドの現金収入にも影響を与えるので、どこに建てるかは「街」アクション以外でも重要になってきますが、1件ごとに1食料(コーン)が必要になってくるので、事務所を増やす行為にはリスクも伴います。

数ラウンド進んだ後の私の状況。
3つの土地を手に入れ、製粉所を建て、開墾しています。
このためコーンは潤沢、他のアクションをパスすることでお金も溜まっています(このゲームはアクション・追加アクションをパスすることで1金が手に入るのです)。
右に見える「交易」タイルも手に入れたにも関わらずパスパス!
順調に進んでいますが、3ラウンドで「土地」タイル2枚を手に入れるための11金入札をひだりさん熟考の12金で上回られてしまい、開発ペースが落ちたのが懸念点。
潤沢な資金があったので、ケチらずにもっと札束で頬を叩くプレイをすれば良かったです(笑)
このあたり現実の生活感がたたって立派な土地成金になりきれてません。
この1発入札方式は、安易に妥協すると相手に取られるので痺れますね。
『これでは安いか?もう1金アップするか、それとも2金か……』
相手が入札するかどうか迷っていると心中穏やかならず、うまい値付けをして全員がパスすると達成感と安堵感が湧き上がります。

中盤を過ぎ「街」もかなり発展してきましたが、私は目もくれず「土地」一筋。
方向性としては、たる田さんとしのぽさんが「交易」、ひだりさんが「街」、ちきさんがバランスタイプといった感じです。
交易はコンスタントにまとまった点数が入るため、たる田さんとしのぽさんがリードしていましたが、ギリギリの資源管理を乗り切り地道に街を拡張してきたひだりさんが猛追。
バランスタイプだったちきさんはベストをつくしても資源が苦しいようで「そっちは食料がたくさんあっていいねぇw」とのぼやき。
やはりこのゲームは何かに特化しないと難しいのですね。

一方、私は後半勝負のつもりで土地を重ねます。
「街」と同じく、「土地」は積み重ねるほど名誉点が上がるのです。
前半の反省から競りには力を緩めず、毎ターン20以上のコーン収入を得て、それを元手に高値でタイルを強奪するという大地主プレイを実行。
よく考えたら得た収入はすべて原住民を追いやって奪った土地(※)なので、絵に描いたような極悪人です。
漫画や小説の世界ならとっくに殺されていることでしょう(汗)
※……なぜか土地は毛皮と異なり無料で手に入るのです
しかしラストから逆算してみると思うように得点が伸びておらず。
たる田さんの「毛皮は?」との声で、追加アクションの闇市で毛皮を買って「交易」で売れば良かったことに今さら気づきます。
序盤で「交易」を捨てていたので、完全に頭に無かったです。
「2パス!」(アクションを2連続でパスするという自分なりの宣言)とドヤ顔で言ってる場合じゃなかった!(笑)
勝敗よりも、こういうベストを尽くせてないプレイは悔いが残りますね~。
(他にもいくつか失敗してるけど、流石に書きすぎなのでカット)。
それにしても闇市の毛皮で儲けていたら、更にワンランク上の悪人になっていたような……。

ラスト近くの状況。
ひだりさんの「街」は加速して得点を重ねていきます。
競り的に止められるのは資金がある私なのですが、今さら競り勝って「街」を手に入れても相手よりも己のダメージが大きいので、諦めて自分の道を進むしかありません。
しのぽさんとたる田さんも「交易」がかぶるので苦しそうです。
そして最終の6ラウンド目が終了し、このまま、ひだりさんの勝利!
前半の我慢を乗り切った的確なリソースマネジメントがお見事でした。
自分は使い切れなかった豊富な資産を得点に換算して2位という結果。
小悪党らしく、私腹を肥やした上で国外逃亡でもするか……。
以上、プレイが終わった時には11時を過ぎ、インスト抜きで3時間は遊んでいたことになります。
6ラウンドの競り+それぞれのアクション実行だけの構成なのですが、なかなか時間がかかりましたね。
特に前半の競りとアクション選択がとても悩ましく、時があっという間に過ぎて行きました。
1回プレイのみ感想としては「とても面白かったけど、ある程度条件が揃わないとポテンシャルを発揮しないゲーム」という印象でした。
まずマニュアルを見ると3~4人でもルールの補正がなく、2人でも申しわけ程度なので、少人数ほど競りが緩くなる感じ(人数に比べて競り物件が多いので)、なおかつ狙うアクションを住み分けてしまうとプレイヤーどうしの絡みも減るので、バッティングが起こりやすい4~5人が適正なのですかね。
また、1回理解してしまえばそれほど複雑ではないのですが、アクションと資源の種類が多く、アクションの特性から前半重視の様相なので「初見で先を見通すのが難しい上に、出遅れると追いつくのが難しい」という展開に陥りがちだと感じました。
逆に言えば、それを理解した2回目以降はもっと熱い勝負ができる可能性も感じます。
今回でも十分、競りの熱さ、リソース管理の悩ましさ、拡大生産の喜びを堪能できましたので、次回以降の期待値は高いですね。
荒天のなか、持ち込みとインストを行なっていただいたたる田さんを始め、お付き合いいただいた皆様。
今回もとても楽しかったです。ありがとうございました!
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