2012年05月03日 (木) | 編集 |

名称:シュタイフ シュピール (Das Steiff-Spiel)
別名:シュタイフのゲーム
発売元:Kosmos (コスモス) , 2002年
デザイナー:Klaus Teuber(クラウス・トイバー)
プレイ人数:3~6人
対象年齢:6歳以上
概要:みんなで誕生日プレゼントを持ってテディベアに届けよう。
だけど他の友達とぶつかるとどっちの持ち物だか分からなくなっちゃうよ。
満足点:ババ抜き的な手札の交換が頻繁に起こり、ぱっと盛り上がれる
基本はすごろくだが、サイコロを選べる等の捻りが効いたシステムになっている
テディベアのぬいぐるみや、ボードのイラストがかわいい
不満点:展開によってはゲームがやたら長引くことがある
手札交換の連続なので、後半は疲れてテンションがやや落ちぎみ
絶版のため、入手難
ウチでの評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点:なかなか良い)
'13/1/2 他との兼ね合いで基準見直し7→6に変更
妻「シュタイフのボードゲームがあるとは。黄色タグもちゃんと付いてる!」
長女(7歳)「赤サイコロは怖いから使わない」
次女(4歳)「クマさん、何で時計がきらいなの?」
詳細な内容は[続きを見る]から。
今回、紹介するのは練馬おやこボードゲーム会の主催でもある、ゆうりさんから譲り受けたタイトル。
「シュタイフ」とはテディベア(熊のぬいぐるみ)で有名なドイツの縫いぐるみメーカーですね。
貴重な絶版品ですし妻がテディベアのファンなので、手に入れることができて本当に嬉しかったです。

ボックスイラスト。
シュタイフ公式の証である黄色いタグがタイトルに使われています。
(妻談:「シュタイフのゲーム」っていうタイトルはそのまま過ぎない?)。
ちなみに黄色タグは定番商品、白地に黒は1900年代の復刻限定、白地に赤は地域・数量・年度限定を表しているそう。

箱を開けたところ。
相変わらず仕切りが大きく余分なスペースが多いKOSMOS箱ですが、内容物が可愛いと「大切に入れてあるんだなぁ」という気持ちになれるから不思議。

内容物に入っているテディベアはこちら。
ちっこいけどちゃんと黄色いタグが耳にボタンで留められています。
ナイトキャップがチャームポイント。
◎ルール概要
誕生日プレゼントを持って寝室にいるテディベアに届けます。
テディベアが眠りに付くまでに、一番価値のあるプレゼントをしたプレイヤーが勝利します。
まず各プレイヤーは3枚のプレゼントカードを受け取ります(他のプレイヤーに見せないように!)。
プレゼントカードにはテディベアの好きなプラスカードと、嫌いなマイナスカードがあり、その種類は、ケーキ+1点、ローラースケート+2点、自転車+3点、靴-1点、靴みがきセット-2点、目覚まし時計-3点。
目覚まし時計は分かるけど、靴関係はなんでマイナス点なんですかね?

赤(3~6)と青(1~4)です。
赤の方が速く進めるのですが、なんとこのサイコロを使っているときに、他プレイヤーに「交換しまーす」と宣言されると、そのプレイヤーと「全てのプレゼントカードを交換」する羽目になってします。
当然、自分のプレゼントカードが良いものだったら涙目モノですが、ここは考えどころで「悪いカードの時はワザと赤サイコロを使って交換を誘う」というテクニックや、「そう見せかけて良いカードの時に速く移動する」といった駆け引きをすることもできるのです。
ブラフの要素を上手くサイコロに取り込んでいますね。

双六なので、道中のマスによってはハプニングが起こります。
「バナナの皮」
このマスに乗ると、バナナの皮で滑って手持ちのプレゼントカードを1枚失います。
カードは隣のプレイヤーにババ抜きの要領で1枚を引いてもらう方式。
手持ちカードが減りますが、マイナスを引いてもらえば嬉しいので、悪いことばかりではないです。
「蛾」
嫌いな蛾がいるため、1マス戻ります。
しかし家の中にバナナの皮が落ちていたり、蛾が多く生息しているテディベア家ってどれだけ汚いんだ……?

他プレイヤーのいるマスに着くと「ごっつんこ」してプレゼントを取り違えてしまします。
具体的にはそのプレイヤーとのプレゼントカード1枚交換。
交換の方式はやはりババ抜きで決定。
前述の「蛾」タイルのため、かなり頻繁にこの交換は発生します。
これにより道中めまぐるしくプレゼントカードの手持ちが変わっていくわけですね。

テディベアの寝室までたどり着くと届けたプレゼントの分が得点になり、プレゼントチップを獲得します。
もちろんカードによってはマイナス点でチップを失うことも。
プラスの場合は、テディベアの機嫌が良くなり、写真左のテディベア人形を1マス進めます。
逆にマイナスなら1マス戻り(0点なら動かず)。
テディベアは機嫌が最高になると、満足して(なぜか)眠りにつきその時点でゲーム終了。
プレゼントチップが多い人が勝利となります。
まだ最高でない時は、プレイヤーはプレゼントカード3枚を新たに受け取り、スタートに戻って繰り返します。
(よく考えると、相当に貢がないとテディベアさんは満足しないような?)。
ゆうりさんのブログでは更に詳しい紹介と抄訳がありますよ。
・あわてん坊の、可愛いくまのパーティ
・[ルール抄訳]Das Steiff-Spiel/シュタイフのゲーム
シュタイフクラブの限定版なんてあったのですか。ベットがどんな感じだったのか見てみたいです。
限定版はひょっとして白タグ表示だったりするのですかね?
→追記:e-bayの画像で見たところ、限定版はメタルボックス、白柄のテディベア、豪華な白いミニチュアベット付きでした。ボード上にあるテディベアのイラストもちゃんと白柄になっているのが細かいです。
◎プレイレポート

長女(赤)、次女(黄色)、私(青)の3人でプレイ。
自分の手札は合計6点で相当に良い感じ。
ただ、ゴール近くで前方マスには長女が陣取る。
ゴール付近では「蛾」マスが多いので、「ごっつんこ」する可能性が多く、このケースでも青サイコロを使ってゴールできるのは「4」を出した時のみ。
「2・3」だと長女とカード交換になってしまいます。
ここは赤サイコロをあえて使ってみるかな~。

と思ったら、何かを察知した長女は即座に「カード交換!」を宣言。
全交換した結果は、カード2枚の合計0点。
これには相当がっかり。長女が交換しにくるわけだ。

しかもサイコロで「5」を出してそのままゴール。1回目は「0点」に終わりました。
ここで「3」が出てくれれば、長女とカードを交換するチャンスがあったのに……。

しかも次回まわってきたのはご覧の手札(笑)
悪い流れが続いてます。

それを尻目に長女は私の元手札でゴール。悠々と6点をゲットしました。
これはいきなり差が開いたな~。

1人ゆっくり進んでいた次女はカード交換に巻き込まれず、マイペースに4点獲得。

何とかバナナや長女との交換でマイナスを減らして0点ゴール。
未だにプレゼントチップが一枚も貰えてない状態なんですが……。

次の初期手札はまあまあ。挽回のチャンス!

長女にマイナスを押し付けつつそのままゴール。
8点!これでかなり追いついたかな。

と思ったら、次の手札は最悪に近い状態。
合計マイナス7点って……。
ここは次女につぶかってカード交換を狙いましょう。

交換したら「-2点」が「-3点」に。
これはヒドい(汗)。合計-8点ってどうしようもないなー。

一方、長女は5点でゴール。
獲得したチップの総計を見ると、長女11点、次女8点、私5点。
ゲーム進行を示すテディベアの機嫌ゲージも最高になりそうですし、これはこのまま長女勝利か?

と思ったら次のゴールで長女が痛恨の-4点。
マイナス点を取るとテディベアの機嫌ゲージが後退、ゲーム終了が遠のくので、あと各自1回づつゴールするぐらいは続きそうです。
果たして勝敗の行方は?!

試合終了。
最終結果は…次女(黄色)12点、私(青)6点、長女(赤)8点。
マイペースに続けていた次女の勝ち!
◎総評
テディベアのキャラゲーム+双六という、それだけ聞くと単なる凡作にも見えますが、さすが「カタン」「バルバロッサ」で有名なトイバーの作品だけあってひと捻りあるゲームに仕上がっています。
手札が悪いとゴールしたときにマイナス点になるルールが効いていて、相手とカード交換を狙うことで土壇場でプラスに転じたり、逆にプラスだった手持ちが一気に絶望的になったりと道中めまぐるしいです。
カードを失うイベントでも場合によってはラッキーになるというのも面白いですね。
「速く進める赤いサイコロを選択した時、志願者がいれば互いのカードを全交換」というのもユニークで、手札がマイナスばかりなのに良いカードのフリして赤いサイコロを選んだり、その裏をかいたりとブラフ要素があるのもアクセントが効いています。
(ただ、子供たちはビビってこのサイコロをほとんど使わないのですが……)。
そんなこんなで半強制的に他のプレイヤーと絡んでいくので、コミュニケーション的なゲームとしても優秀。
「すろごく」「ババ抜き」という子どもの好きそうな要素が満載なので、食いつきも抜群ですよ。
欠点としては「マイナスでゴールすると、終わりを示すテディベアが後退する」というルールのため、運が悪いとなかなかゲームが終了しないこと。
特に4人以上でゲームをすると、終わりが見えない展開になって場がダレることが何度もありました。
このあたり短時間でキレよく盛り上がりたいゲームなので、長引いてしまうと次第にカード交換も面倒になってしまい良くないですね。
個人的には「マイナスの手札でゴールしてもテディベアは動かない」というルールにした方が、スパっと終わってよいと思います。
評価としては6点。
全体的な完成度は高いのですが、パーティー要素のある盛り上がりゲームの割にはややプレイ時間が長く感じるので、たまに引っぱり出して遊ぶのが良い感じです。
コンポーネントは当然ながら素晴らしく、それだけでも(シュタイフファンの妻にとっても)持っている価値があるゲームだと思いますね。
絶版なのが残念です。
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