旅は道連れ世はつれづれに。主にアナログゲームや玩具について赴くままに描き募るブログ。長女と次女の成長記録もちょっとあり、です。
豚小屋(saustall)
2011年05月29日 (日) | 編集 |
豚小屋
名称:豚小屋(saustall)

発売元:Huch&Friends
デザイナー:Michael Rieneck(ミハエル リーネック)
プレイ人数:2~4人
対象年齢:10歳以上

概要:豚小屋で発見された変死体。証拠を足で稼ぎ、刻々を変わる捜査状況から犯人を絞り込む

ウチでの評価:★★★★★★★★★☆(9点:素晴らしい!!!)

満足点:推理モノだがシビアな理論は必要なく、運の要素も多いので気負いなく遊べる
     基本はカードを出すだけなのでサクサク進む。1ゲームも短い
     コンポーネントの雰囲気が良く、捜査している雰囲気に浸れる
     2~4人、どの人数でも楽しめる

不満点:犯人当て時に山勘だよりになることも多いので、厳密な推理を好む人には向かないかも
     協力しすぎるとあっさり犯人が判明することもあり、ややプレイヤーにバランスが委ねられている
     証拠品タイルの側面加工が弱く、雑に扱うとはがれそうでちょっと怖い

その他:日本ではメジャーではない版権モノなので、多分、国内未発売

妻「推理モノはそれほど得意でもないけど、なぜかこれは勝てる。1プレイがサクサクできるのも良いね」


'11/6/28
※当ブログにて@47chiku, @eagle_fry_free, @hiroceanさん達と共同で作成した完全日本化ファイル公開中!


詳細な内容は[続きを見る]から。

エッセン シュピール'10で公表されて以来、ドイツアマゾンなどで好評価だったので、
CAMELOT JRと共に4ヶ月ぐらい前に購入しました。
「推理」が得意ではない妻を引き込むのが面倒そうだったので、しばらく手つかずだったのですが、
実際に遊んでみたら、意外にも簡単で手軽なゲームでした。

豚小屋1
まずは外箱の写真から。
29.7x29.7x7.3cmの標準的なKOSMOS大箱サイズ。
犯行現場を移した絵柄が印象的。


◎ゲームシステム
3枚の手持ちカードから1枚を選んで出すことで、容疑者たちのアリバイを調査し、
次第に判明していく捜査状況から、最終的に15枚の推理タイルを3枚まで絞る。
推理タイルが的中すれば、犯人(事故死)=9点、動機=5点、性別=3点を獲得し、
一番点数が高いプレイヤーが勝利する。

詳しいルールは「洋々雑記」さんや「ひだりの灰色」さんのHPで紹介されているので、
ここでは割愛することにして(他力本願)、ここでは2人プレイ時のレポートを紹介したいと思います。


◎ストーリー
ドイツ南部にあるAllgäu地方。
アルプス山脈と草花がおりなす美しい景色が特色の牧歌的な町で
獣医師であるHermann Aigner(ヘルマン アイグナー)の遺体が豚小屋にて発見された。

被害者は上半身が大きな円形チーズの塊に埋もれており、何と死因はチーズによる頭部への打撃…
という何かの冗談かと思わせる状況。
だがこの時点では、「豚小屋の殺人」と名付けられた事件が、警察署、始まって以来の難事件となるとは、
まだ捜査員の誰もが知るよしも無かった。


◎プレイレポート
俺は、この事件の担当となった捜査員gunmaだ。
お前が相棒となる新人だな。ヨロシク。取りあえずは上に書いてあるストーリーは読んでくれたかな。
それじゃ、今から捜査のイロハというものを叩き込んでやるから覚悟しろよ。

まず今回の事件で浮かびあがった容疑者は下写真の男女8人だ。
上段の男性陣は左から
  Alois Argenzeller(アロイス アルゲンツェーラー)市長
  Joseph Junginger(ジョセフ ヤンギンガー)神父
  Emil Eisele(エミール アイセル)ソーセージ職人
  Hubertus Hübner(ウベルタス ハブナー)農家
下段の女性陣は同じく左から
  Gabriele Geiger(ガブリエラ ガイガー)画家
  Andrea Angerer(アンドレア アンゲラー)ダンサー
  Marianne Münzmayer(マリアンヌ ミュンツマイヤー)家政婦
  Rosi Reichler(ロージ ライヒラー)女主人

豚小屋2

ちゃんと頭に入ったか?
まぁ、別段、覚えてなくとも、大抵「神父さん」とか「画家」とか職業で呼ぶから必要ないんだけどな(汗)
ウチのワイフなんかはカタカナ名が覚えられないので、全部「この人」で済ますんだぜ。酷いもんだろう。

容疑者の下に置いてある、指紋が書いてある丸いタイルを見てくれ。
この8枚の円形タイルは「証拠品」で、その裏側に書かれている鍵やライターのイラストは、
それそれの容疑者カードの左下に書いてある絵柄と一致する。
例えば「ウベルタス ハブナー」(老人)は、「パイプ」が証拠品となるわけだ。


豚小屋3

上の写真はゲームのセットアップ状況…ではなく事件の舞台を横から撮影したものだ。
赤と青のレゴ製のカード立てはウチの備品で、ゲームのコンポーネントじゃないから勘違いするなよ。

ボードは裏表の両面になっていて、表が2・4人用、裏面が3人用になっている。
3人用はボードが微妙に違うだけ(ラウンド数が異なる)なのだが、何となく得した気分になるな。

証拠品タイルは裏向きにしてよく混ぜ、捜査員1人につき…ややこしいから「プレイヤー」でいいや
プレイヤー1人につき1枚を配り、2人プレイでは、更に2枚を「仮想プレイヤー」用として、
誰にも見えないように裏向きにして置く。
そして残りは、ボード中央にある「研究所」に山として積んでおくんだぞ。

ここで重要なのは「研究所にある証拠品タイルのなかから犯人が選ばれる」ということだ。
つまり、研究所にある証拠品の容疑者だけに「犯人」の可能性があり、
自分が持っている証拠品の人物は犯人ではない
ということになる。
大切なことだから太字で書いたぞ。明日の昇進テストに出るから要注意だ。


豚小屋4

プレイヤーは最初の手札として3枚の「捜査カード」と証拠品タイルを1枚持っているが、
これは当然、相手プレイヤーには見せないようにする。

さらに2人プレイでは「強制(義務)マーカー」2枚と、「失策(ブタのエサ)マーカー」2枚ずつを持つ。
「強制マーカー」は、相手の捜査を横取りできる特殊効果があるが、
「失策マーカー」は単なるマイナスで1枚につき-2点となる。つまり、最初から-4点のスタートだ。

な、何だ?新人、その白い目は。これは単なるルールで、決して私が無能な捜査員という訳ではないぞ。
決してゴルフの練習中に部長の盆栽を壊したわけではない。余計な疑念は持たないことだ。
(※ちなみに、3人では強制2枚・失策1枚、4人では強制1枚・失策1枚です)。

そして、開始時だが、いきなり
『容疑者8枚、事故死1枚、動機4枚、男女2枚』の合計15枚の推理タイルのうちから、
3枚を選択して「自分の推理」を決定しなくてはならない。
この時点では、たいした情報がないので、このあたりは当てずっぽうに指摘することになる。
いわゆる、「刑事の勘」ってやつだ。

取りあえず、私の握っている証拠品タイルは「ロザリオ」なので、少なくとも神父は犯人ではない。
よって、私は「女主人」「Habgier(貪欲)」「女性」の3枚を「自分の推理」とした。

これは、私が女性用の「Habgier(貪欲)」動機カードを持っているため、
いざとなったら、これを突きつけて証拠をねつ造…じゃない確証させることができるためだ。
プロの刑事の実力がどんなものかよく見ていろよ。

…ん?いきなり容疑者の名前を呼ぶのを忘れているって?
細かいことは気にしないことが、長生きの秘訣だぜ。…ごめん、やっぱり覚えるのが面倒。


豚小屋5

私の先攻。最初の一手は「目撃証言/アクションカード」。
この地には射的場、ゴルフ場、プールなど目撃証言を得られる8つのスポットがあるのだが、
このうち指定された1スポットにおいて「男か女」どちらを見たのか決定することができる。

このカードは、ゴルフ場+青色の男性用なので、ゴルフ場で見かけた人物は「男性」ということになる。
「Mann(男性)」のチットを証言者であるゴルファーの吹き出しの上に乗せる。
ちなみに証言が「女性」の場合は「Frau」だ。

ちなみにカードを出した後は、山札から1枚を補充して3枚に戻すことを忘れるな。
なぜか、よく失念するんだな…自分の中の人は。


豚小屋6

後手の女刑事(対戦相手の妻)が出したのは、男性(青色)の「動機カード」で
内容は「Rache(復讐)」。

「Rache」の小タイルをソーセージ職人の上に置いたので、この男は、
獣医師に復讐する動機を持っていることが決まった。

ちなみに動機は以下の4種類だが、男用と女用に分けられるので、4種類x2の8つが
容疑者8人にそれぞれ割り当てられることになる。

 Eifersucht(嫉妬)
 Habgier(貪欲)
 Neid(妬み)
 Rache(復讐)

ちなみにウチのワイフは動機ですら「これ」で済ますんだぜ。本当に酷いだろう。
せっかくなんだから、ちょっとは推理モノの雰囲気を楽しもうぜ…。


豚小屋7

カードを2枚ずつ出すと(3・4人は1枚ずつ)1ラウンドが終了し、道路にある車コマを1つ進める。
もし進んだ先に「推理タイル」マークがあったら次のラウンドを開始する前に、推理タイムに突入だ。

豚小屋8

ここでは「推理タイル」マークが書かれている枚数だけ、
容疑者(または動機)の推理タイルを切り捨てなければならない。

最初に決めた3枚の「自分の推理」は後で他のタイルと交換するチャンスがあるのだが、
ここで排除してしまったタイルは二度と指定することができなくなるので緊張の一瞬だ。

取りあえず最初のラウンドは自分が持っている証拠品タイルの人物を選べば間違いない。
「神父」を切り捨ればOKだ。簡単だろ?


豚小屋9

次のラウンドで俺が出したカードは「アリバイカード」。
好きな容疑者のタイルを、指定のスポットに置くことができる。

この容疑者と「目撃証言」の性別が一致すると、アリバイが認められたことになり、
その人物の無実が証明される。
逆に性別が合わなければアリバイは崩れ、犯人の可能性が一気に高まることなるぞ。

このケースでは、ダンサーのアリバイ証言が認められ、この人物は犯人ではないことが確定した。
こうやって少しずつ足で情報を稼いでいくのが、俺ら刑事の仕事というもんだぜ。


豚小屋10

女刑事の出したカードは「ローデンバッハー」。
このカードを使うと特別な捜査をすることができるぞ。

特別な捜査は、以下の3つがある。
「研究所へ訪問」…研究所に積まれた証拠のうち、上1枚を見て、一番下に戻す
「捜査会議」…他プレイヤー(またはダミープレイヤー)が持っている証拠品を1枚見る
「資料調査」…自分の推理として決めた推理タイルのうち1枚を入れ替える

相手は「研究所へ訪問」を選択した。
前に言ったとおり「研究所」にある証拠品タイルのどれかが犯人になる可能性が高いので、
犯人当てにはとても有効だ。

しかし、ここにある見たタイルは「一番下」に戻すことになる。
犯人は「研究上の一番上から順にめくっていき、アリバイが確定してない人物」なので、
下にするほど犯人の可能性が低くなり、なかなか悩ましいところだな。


豚小屋11

特別な捜査をするもうひとつの方法として「アクション」がある。

「目撃証言」カードを出したとき、そのスポットにすでに「目撃情報」が置かれていれば、
そのカードは「アクション」となり、上述の特別捜査を選択できる。

なお、「アクション」と「ローデンバッハー」には行使できる回数が決まっており、ボード上の各項目に、
緑と茶色で書かれている空きマスの分だけ実行できる。
誰かが行うと、そのマスにチットが置かれてしまうので、基本は早いもの順だ。
「グズグズしているヤツは何の獲物も得られない死んだ犬だ」とハードボイルドな誰かが言っていただろう?
ん、知らない?ああ…スマン、それはウチのオカンの口癖だった。

それはともかく、今回、私が出したカードのスポット(ロング滑り台か?楽しそうだな)には、
すでに「Frau」が置かれているので、アクションをすることできるぞ。

私が行うのは「捜査会議」だ。

豚小屋12

これによりダミープレイヤーの「証拠品」を見ることにする。
…なるほど「鍵」ということは、ソーセージ職人は犯人ではないことになるな。


豚小屋13

また「アクション」には、「ローデンバッハー」ではできない行動として「懺悔」がある。
これを行うと「失策マーカー」を1つ消すことができるぞ。

神に祈れば、仕事の失敗も帳消しって訳だ…。
分かっていると思うがボードゲーマーの礼儀として深いツッコミは不要だぜ。


豚小屋14

4ラウンドの最初には2枚の推理タイルを外さなくてはならない。
ここからが厳しくなってくるので、気を引き締めて行けよ。

1枚目は、さきほど見た「ソーセージ職人」で決まりだが、
2枚目は、動機の「Rache(復讐)」を外すことにする。

なぜかって?まあ次のラウンドを見ていてくれ。
若造には思いもつかない年季の違いってヤツを見せてやるぜ。


豚小屋15

さきほどアリバイが確定したダンサーに、手持ちのカードから「Rache(復讐)」を当てはめる。
同じく無実になった「ソーセージ職人」の動機も「Rache」なので、男女の両方がすでに確定し、
これが犯人の動機ということは無くなった!
どうだい惚れ惚れするほどの手腕だろう。


豚小屋16

さらに次の手番で「市長」のアリバイを立証する。
相手にも情報を与えるので楽をさせてしまうが、こちらも苦しいので仕方ないな。


豚小屋17

しかし女刑事は「アクション」で研究所を指定してきた…。
これ以上、研究所の証拠品を調べられるのもマズいので、ここで「強制マーカー」を使うことにするか。
これは相手の捜査を横取りして、出したカードを自分が使うことができる。

まあ、上司に働きかけて相手の捜査に横ヤリを入れられる、という感じだな。
この前、課長がハマっているRPGゲームのレベルアップ作業を手伝った甲斐があるというものだ。

ちなみに「強制」はラウンド中、1プレイヤーにつき1回しか使うことができないが、アクション以外の
アリバイなどでも使うことが出来るし、
「研究所」として使われたアクションを「捜査会議」に変更して使用することもOKだ。
(それで合っているはずだ…。と中の人がやや不安そうに言っているぞ)。

※1ラウンドではなく1手番中に1回の誤り。つまり誰かが1枚マーカーを出したら、それに対して、それ以上誰もマーカーを出せないということを意味しています。ちなみにマーカーを出すかどうかは時計回りに決定していきます(2人プレイでは関係ないですが)。


豚小屋18

しかし、ここで相手は強制マーカーを受け入れず「拒否」を選択した!
これを選ぶと「強制マーカー」を裏返して「失策マーカー」として受け取ることで、相手の要求を
拒否することができる。

ちっ…まぁいいか。これで相手は失策を挽回するのが難しくなっただろう。
ん?圧力を振り切って捜査するところは、相手の方がドラマの主人公みたいだって?
何を言っているんだ!本物の捜査はチームワークが重要なんだぜ(←最初に妨害した人)


豚小屋19

この第5ラウンドの開始でも2枚の推理タイルを捨てなくてならない。
1枚は市長で決まりだが、2枚目はどれも確証がない…。どうするか。
まぁ、いいや事故死で、これでレビューが事故死だったら盛り上がらないし(適当)。


豚小屋20

次のラウンド。女刑事が「女主人」にアリバイがないことを証明した!
相手は研究室に2回も行っているので、コイツが犯人だと思っている可能性が高い。

いいか、思い出せ。俺の推理は「女主人」「Habgier(貪欲)」「女性」だ。
ドンピシャじゃないか!


豚小屋21

すかさず、ここで最初から温存していたカード「Habgier(貪欲)」を当てはめる。
これで俺の推理は完璧だ!

…ん?何だ、新人。
話がうまく行き過ぎているって?それに動機を押し付けられたのに、相手が動揺していないような?
またまた、物事を複雑に考えすぎるのは、新米の悪い癖だぜ。


豚小屋22

まぁ…万が一があるので、取り合えず「捜査会議」で相手の証拠品を見てみるか。
って、証拠品がイヤリングじゃねーか!
…ということは「女主人」は犯人ではなく、今の「自分の推理」は完全に間違いということに…。


豚小屋23

しかも、ここで7ラウンド開始なので推理タイルを2枚捨てなくてはならない。
取り合えず、3枚すべてを交換するのは難しいので、勝つためには女性を犯人にするしかない。
男性と適当な動機を切り捨てるか…。


豚小屋24

そして腹いせに自分では無罪と分かっているが、相手には不明な「ソーセージ職人」を怪しい人物に
仕立て上げてみる。
ミエミエだが、多少の煙幕にはなるだろう…?おい、新人、他人のフリをするのはよせ!


豚小屋25

そしてアクションの「資料調査」で「自分の推理」にあるタイルを入れ替えないと。
と、ここで相手から「義務」カードを提出される。ここは「失策」として受け入れいるしかないか…。
「だが断る!」

何かそろそろ長文レビューに疲れてきて、普段の口調になっているような気がするが、
見なかったことにしてくれよ(汗)


豚小屋26

さらに相手は「農夫」を怪しい人物として指摘。実はこちらが本命か?
…「すでに泥沼」だと!ああ、そんなことは自分でも分かっているさ!(逆切れ)


豚小屋27

取り合えず、こちらは家政婦を犯人にするため必死だ(すでに推理ではないような?)
8ラウンド開始時には、無罪が確定した女主人を切り捨てる。


豚小屋28

ラスト近くは互いに「資料調査」の応酬になる。
どうやら向こうも、まだ「自分の推理」は完全に決まっていない模様。
これは、まだチャンスの目があるか?


豚小屋29

と思ったら1ターン差で、相手に家政婦のアリバイを確定させられる。
これは最悪だ…。

気分は名刑事ではなく、すっかり探偵モノに出てくる当て馬の「迷警部」気分(汗)


豚小屋30

まだだ!まだ最後まで諦めないのが刑事魂だ(?)新人、死んだ魚のような目をしてるなよ。
最終ラウンド終了時には、1枚を捨てる前に
「推理タイルを1枚入れ替える」か「失策マーカーを1枚捨てる」を選択できるので、
唯一、犯人と思われる農夫を「自分の推理」に加えて、これで最後の推理が確定。
動機と性別はメチャクチャだが仕方ない…。

失策マーカーも1枚残っているけど仕方ない(笑)


豚小屋31

ゲーム終了の様子。カードはすべて使い切るので、容疑者全員のアリバイと動機、目撃証言が
すべて埋まることになる。果たして犯人は…?

豚小屋32

研究所の証拠品タイルを上から見ていくと…。
パイプなので、いきなり農夫。そしてアリバイのない彼が犯人確定となった。

一応、ダミープレイヤーの証拠品も見てみると…そこにはライターが。
家政婦を犯人に仕立て上げても、どのみちダメだったのか…。


豚小屋33

推理の結果開示。
私は犯人だけの的中9点-2点(失策1つで)で7点。
女刑事(妻)は、犯人と動機の的中(Habgier:貪欲)で9+5=14点。
ダブルスコアで敗北…。

おい、新人。荷物をまとめてどこに行くんだ?部署を変えてもらう?
おいおい案ずるなよ。
このゲームは30~45分ぐらいで終わるから、すぐに再戦できる余裕があるんだぜ…。
って、おーい、頼むから待ってくれ~!


さて(素に戻る)、
今回の敗因は、研究所を早い段階で使わなかったのと、中盤の推理変更で女性に的を絞るべきではなく、
動機を中心に男性に変更すれば良かったのかなぁ、と反省。
推理ゲームは好きなはずなのですが、なぜか、このゲームは妻に負け越しているなぁ。


◎特別企画
豚小屋34

今回は推理モノとして、妻の方からも写真を撮影してもらって、プレイレポート中、
どう考えていたのか拝見することにしました。

上の写真は2ラウンド開始時の推理タイルを捨てるところ。
レポートでも明かされたとおり、証拠品はイヤリング。という事で「女主人」を切り捨てています。
これとバッティングするとは、ツイてないな…(汗


豚小屋9

そして、私がダンサーを無罪確定したところで…。

豚小屋35

最初の「研究所」訪問。
出てきた証拠品タイルは…口紅。これはダンサーの証拠品なので意味がないですね(笑)


豚小屋36

3ラウンドの最初。
推理タイル2枚を切り捨てるところで選択したのは「家政婦」と「Neid(妬み)」。
理由は特になく、ヤマ勘とのこと…鋭いな。


豚小屋16

そして、4ラウンドで私が市長のアリバイを立証。

豚小屋37

その後、2回目の「研究所」行きの結果は…カフスボタン。
これもすでに確定した市長のアリバイなので無意味。実は相当に運が悪かったのですね(笑)


豚小屋38

5ラウンドで外した推理タイルは「市長」と「Eifersucht(嫉妬)」。
「Eifersucht」を外したワケも前と同じく「何となく」という理由でした。
こうしてみると序盤は、妻の方が綱渡りだったんだなぁ…。


豚小屋20

そして「女主人」を“アリバイなし”に確定。
研究所で犯人らしい人を見つけられなかったので、苦し紛れの陽動作戦だったらしいです。
これにまんまと踊らされました(汗)。


豚小屋39

7ラウンドで妻の選択したのは、私の証拠品である「神父」と「男性」。
これには確証があって、まず「男性」は犯人が絞りきれないので、点数が低い性別を切捨てたのこと。

次に「神父」である理由は、
残っている目撃証言とスポットがゴルフ場(Mann:男性)とプール(Frau:女性)の2箇所で、
残っている容疑者が「神父」と「農夫」なので、自分がプールのアリバイカードを使って農夫を置けば、
当然、神父は残った一つ=ゴルフ場(Mann)にくるのでアリバイ成立と確信したとのこと。
なるほど。


豚小屋40

最終ラウンドの様子。
私が妨害するために“アリバイなし”にしたソーセージ職人の可能性も残して、
「農夫」「Habgier(貪欲)」「ソーセージ職人」で最終推理を決定。


豚小屋41

これで勝利。
なるほど…。序盤の思い切りが後半の逆転を生んだのね。
最初は楽にプレイしていた私とは好対照。こうして反対から状況を見てみるのも面白いですねぇ。


◎総評
クルータイプ(※)ではない犯罪捜査モノ、しかも2人でも遊べるというだけで、個人的に価値が高い1作。
※最初にカードを裏向きで1枚抜くことで犯人などを決定し、それを論理でズバリ当てる推理ゲーム

自分にできるのは地道なアリバイ捜査の一部、さらに「3枚から1枚を選ぶ」という選択肢の狭さなので、
将来的な作戦というものが立てづらく、ままならない状況に翻弄されることが多いですが、
その中で限られた情報や山勘を駆使して自分のベストを尽くしていくのが楽しいところです。

他プレイヤーとの積み重ねで次第に事件の状況が明らかになっていくところも、
捜査員として着実に捜査している雰囲気があって良いですね。

全プレイヤーへの公開情報が多いために終盤になると、
全員が似たような推理になるところはやや物足りないですが、
そうさせないためにも上手くプレイヤー間で足の引っ張りあいをしたいところです(笑)

個人的にはラウンドごとに1~2人ずつ候補者を外していくのが、短期的な目標となっていると共に、
緊張感を持続するアクセントになっていて一番好きなところ。

推理がそれほど得意でなくとも、選択肢が狭いので勘所は掴みやすいですし、
カード運や他人との駆け引きもあるので、バランスが良い短時間ゲームを求める方にはおすすめです。

そんな感じで評価は個人的好みも入れて9点。コンポーネントも雰囲気があって素晴らしいです。
ただ、日本ではマイナーな版権ものなので、国内の販売店では取り扱ってないみたいなんですね。
うーん、もったいない。

ぜひ国内での取り扱いと、もう少し推理要素を増やした(犯行時刻など)続編や拡張を出してくれると嬉しいですね。
コメント
この記事へのコメント
プレイしてみたくなりました。
こんばんは。
熱の籠った(笑)記事拝見させて頂きました!

2人で出来る推理モノというと、薔薇の名前やMr.Jackなどが思い浮かびますが、これはまたひと味違った面白さをもっていそうなゲームですね。

何よりも、ぐんまさんの思い入れがわかるリプレイが素晴らしいと思いました。
こういう書きっぷりの紹介記事はあまり無いので、楽しく読ませて頂きました(特にジョークが気に入りました)。

元ネタ関係無しに面白そうなので、国内販売してくれると良いんですけどねぇ。
しかし、リーネックは原作ネタが好きですね。

2011/05/29(日) 02:03:55 | URL | COQ #hy9433ho[ 編集]
長編レビューお疲れさまです。
最後はかっこよく犯人を探し出すのかと思いきや…
笑わせていただきましたw

ルールの方もかなり詳しくご紹介いただきましたので、
詳細まで理解することができたと思います。
特に奥さまのプレイボード状況の考察はなかなか面白かったです。
今までの推理ものと違って、時にはハッタリも必要だったりと、
駆け引きもあって面白そうですね!

これに懲りたとのことですが、
リベンジ戦レビューも期待してますよ~♪

それにしてもやはりドイツ語テキスト多いですね~w
2011/05/29(日) 10:36:18 | URL | しなちく #EBUSheBA[ 編集]
はじめまして。
こんにちは。レビューオモシロですw 大変参考になりました。ありがたい。

タイルのめくれが気になりますか。 コンポーネンツ重視派はちと気になるところです。

レゴブロック カード立て ステキ。
2011/05/29(日) 10:59:03 | URL | カインのしるし #-[ 編集]
こんにちは、クルーはあまり面白そうじゃなかった(未プレイ)ので
推理モノはもういいかと思っていたのですが、これはなかなか面白そうですね!
奥様とのザッピングレビューも面白いです。
でも実は、こういうレビューって書いているご本人が一番面白かったりしますよね(笑

ちなみにウチの相棒は薔薇の名前が大好きなので、合ってそうですね。
日本でも販売してくれるといいんですけどねー。
2011/05/29(日) 11:42:31 | URL | たっくん #-[ 編集]
>COQさん
ありがとうございます!
最近のルアーブル、ブルゴーニュなどの長編レビューの流れに乗ってみました(?)
慣れない書き方をしたためか、手間が倍かかってしまい
妻から呆れられましたが(笑)、皆さんからこうしたコメントをいただけると
書いた甲斐があったというものです。

薔薇の名前やMr.Jackも良いゲームなのですが、
どちらかと言うと対人での心理戦がメインなので、
こういうみんなで犯人当てをするゲームが前から欲しかったのですよね。
そのため、妙なベクトルに力が入ったレビューになってしまいました。

リーネックは原作ネタと言えば…という作家さんになりつつありますね。
本当は原作を知った方がより楽しいのでしょうが、
システム面でもユニークなので、こういうゲームはぜひ国内でも販売を希望します。
2011/05/30(月) 13:00:08 | URL | ぐんま #eL404qMA[ 編集]
>しなちくさん
「犯人を格好良く見つける」ために全力プレイをしたはずなのですが
ご覧のありさまでした(笑)
結末が引き分けなどだと盛り上がらないので、
まぁ、結果オーライというものです(負け惜しみ)。

このゲームは妻に負け越しているのですが、
プレイレポ見てみると、直感と思い切りの差でやられている感じですね。
ネタの引き出しが無くなったので(汗)記事は続かないかもしれませんが、
リベンジだけは近日したいですね~。

ドイツ語テキストは分かった方がより盛り上がりそうですね。
(それでも妻は淡々とプレイしそうですが)。
例の企画を楽しみにしております。
2011/05/30(月) 13:15:27 | URL | ぐんま #eL404qMA[ 編集]
>カインのしるしさん
初めまして!ネット上でお名前は伺っておりました。
コメントありがとうございます。

タイルは「雑にあつかうと不安…」という感じですが、
それほど頻繁にシャッフルする訳ではないので、
普通に使っていれば大丈夫な範囲だと思います。

ただ、汚れなどでマークが付くと致命的ですし、
スリーブに入れるのも難しいので、そのあたりはちょっと心配です。
念のため、画像をスキャナーで取り込んで、
代替品を作成できる準備はしておこうかなぁ、と考えています。

思いつきなのですが、レゴのカード立て良いですよ。
長さを自由に変えられるし、重さがあるので倒れにくいです。
持ち運びしにくいのと、落とした時にバラバラになりやすいのが欠点ですが…。
2011/05/30(月) 13:24:34 | URL | ぐんま #eL404qMA[ 編集]
>たっくん
クルーは自分はけっこう好きなのですが、2人で遊べないし、
基本は論理パズルなので、敷居が高いのですよね。
「告発」が失敗したら脱落、というシステムも人を選びそうですし、
まず妻は相手してくれないですね(汗)

その点、このゲームは初心者の親戚でも宅を囲みましたが、
なかなか好評でしたよ。
システムが犯人を決めるため、早い段階で真相が判明して
アンチクライマックスになる場合があることが欠点ですが、
短いプレイ時間なので許容範囲内だと思っています。

ザッピングは、たっくんさんとCOQさんのレビューに触発されました。
あれは面白かったですね!

実は私はレビューを書いている時は結構、苦痛というか億劫なタイプなんですが、
アップすると、また新しい記事のネタを考えているのが不思議です。
何かの中毒でしょうか(笑)
2011/05/30(月) 13:37:06 | URL | ぐんま #eL404qMA[ 編集]
強制マーカー(他に束縛、拘束などの呼び名あり)の使い方で、間違いがありました。

「1ラウンド、1プレイヤーにつき1回のみ」ではなく、「1手番中につき誰か1回のみ」です。
つまり、誰かがマーカーを使ったら、それ以上は誰もマーカーが出せないという意味だったのですね。
(また、マーカーは時計回り順に使うかどうか決定します。)

ということは2・3人プレイでは、1ラウンドで2枚消費することも可能ということです。
本文中にも赤文字で追記させていただきます。
失礼いたしました。
2011/06/24(金) 15:54:12 | URL | ぐんま #eL404qMA[ 編集]
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