2010年11月08日 (月) | 編集 |

名称:どうぶつ旅行案内(turi-tour)
発売元:Selecta(ドイツ)
プレイ人数:2~4人
対象年齢:5歳以上
ゲームデザイナー:アレッサンドロ ズッキーニ
主な受賞歴:2010年 ドイツ年間ゲーム大賞 子供ゲーム賞ノミネート
ウチでの評価:★★★★★★★☆☆☆(7点:面白い!)
ゲーム概要:目隠しをして、動物コマを指定された地図上に置きます。
上手く成功して、動物達に楽しい旅行をさせてあげましょう!
満足点:手の感触や映像記憶を頼りにするゲーム性がユニーク
どうぶつコマやカードイラストが可愛い
基本的にマップがあるゲームはウチでは好印象(笑)
ルール変更(時間制限)やハンデ付けなど、ハウスルールが作りやすい
不満点:内容的に実力差や好き嫌いが出るゲームかも
1点ずつ得点を積み重ねるので、地味かつ逆転要素は薄い
ルールが結構複雑(特に失敗した時の処理など)
付属のアイマスクは手元が見える…。
妻「映像を記憶するゲームなので得意。コマも可愛いし、なかなかです」
長女(5才9ヶ月)「えーと分かんない(アイマスクの隙間から覗こうとする)」
次女(3才)「うましゃんでーす。こんにちはーいっしょにあーそーぼ」
詳細な内容は[続きを見る]で。
目隠しという新規性と、可愛いイラスト&動物コマ。
ドイツ年間子供ゲーム賞にノミネートされた時から欲しくなって、すぐにドイツから個人輸入したゲームです。
早めに買ったにも関わらず、なかなか遊ぶ機会がなくて、すっかり紹介するのが遅くなってしまいました。
(現在では、日本のボードゲームショップでも取り扱っているようです)。
ちなみに今回は私が写真撮影の半分を担当していますので、お見苦しい点があるかもしれません(汗)
また以下のルールは、私が訳したものですので、間違っている部分がありましたらご教授ください。

箱デザイン。
大きさは34.3x23.2x4.8cmぐらい。

内容物です。
地図ボード、動物チップ、動物コマ、カード類など。
後は目隠し用の「サングラス」が入っていますが、これは後述します。
◎ゲーム内容
まずは地図ボードを組み立てる必要があります。

こんな感じです。
それぞれの観光地に丸い穴が空いているので、そこに動物チップをランダムにはめ込みます。

チップをはめたところ。
この動物チップがある観光地が、その動物の「旅行先」となります。
(例:左端の氷の国は、ブタさんの旅行先です)

最初に配置される動物を決めるため、スタートカードを1枚引きます。
それに従って該当する旅行地に動物コマを置きます。
(写真例では、馬2、ブタ1、羊1、ウシ1が初期配置です)。
ここからゲームスタート。
順番にプレイヤーを交替して、以下のように行動します。
(1.)まずプレイヤーは目隠しをします。

右が噂の付属サングラス(アイマスク)。
目隠し用ですが、実はこれを付けても隙間が多いので、手元なんかが良く見えてしまいます。
長女が不自然に横を向いて、隙間からボードをチラ見していたことから発覚(汗)
まぁ、どのみちサングラスは一つしかないので、手順ごとに手渡すのは面倒です。
ウチでは、左にあるようなアイマスクを人数分100円ショップで買って使っています。
(2.)左隣の人が山札から“旅行カード”を1枚めくります。
プレイヤー本人は目隠しをしているので、その左隣にいる人が山札から“旅行カード”をめくります。
そして、そのカードに描かれている動物コマを「コマ置き場」からプレイヤーに手渡した後、
カードの内容をプレイヤーに伝えます。
(内容の伝え方は後述)
もし該当の動物が全て(4匹)旅行に出払っていて「コマ置き場」にないなら、
そのカードは山札の一番下に入れて、もう1枚新しいカードを引きなおします
※つまり4匹旅行に行っている場合は、
後述の「出発カード」「ホームシックカード」「数当てカード」は見送られます。
(可能性は低いですが、全動物が4匹旅行中の場合「サボってるカード」も該当します)。
(3.)プレイヤーはそのコマを手探りでチェックした後、その名称を宣言して、そのカードの内容を命令通りに実行します。

ブタコマを手探り中。
基本ルールでは両手を使って判別してもOKです。
※コマの名前を間違っても、そのまま続行します。
ひょっとしたら名前を勘違いしたまま成功することがあるかもしれません!
(4.)命令通りに実行できたら、そのカードを1枚貰えます。
失敗したら、そのカードは使用済みとして、箱の中にしまっておきます。
これを順番に行い、1人8回繰り返したらゲーム終了。
獲得したカードが多い人が勝ちとなります。
◎旅行カードの内容
以下、それぞれの“旅行カード”内容説明です。
ちなみにカード名および通称は、私が勝手に命名したものですので悪しからず、です。
◆「出発カード」

左の人は、該当の動物コマを手渡してこう言います。
「私を旅行に連れて行ってください」
旅行地のライン内に動物コマを置きます(写真ではブタコマを配置)。
コマを置く時のルールは以下の通り。
・他の動物を倒したらNG(触れてしまうだけならOK)
・動物を正しく立てて置かないとNG(斜めに立てたりするとNG)
・ライン内に全部が入らなくても、動物の一部が触れていればOK
・手がボード面に触れてもOK
置くのを失敗したり、成功してもライン上の微妙な位置に動物コマがあったら、
手番終了後に正しい旅行地のライン内に置きなおします。
◆「ホームシックカード(別名:泣いてるカード、帰るカード)」

左の人は、動物コマを手渡してこう言います。
「私はお家に帰りたいです」
旅行地の動物を1つ手元に戻します(写真では馬コマを回収)。
もし、該当の動物が1匹もいなかったら「いない」と宣言しなくてはなりません。
・手渡したコマと回収したコマは「コマ置き場」に戻します。
・間違って他の動物を手にしてしまっても、それを「コマ置き場」に戻します。
◆「数当てカード」

左の人は、動物コマを手渡してこう言います。
「その動物は何匹が旅行中でしょうか?」
該当の動物が何匹、旅行に行っているのかを宣言します(写真ではブタ2匹を回答)。
・手渡した動物コマは回答後「コマ置き場」に戻します。
◆「サボってるカード(別名:寝てるカード)」

左の人はこう言います。
「一番、旅行に行ってない(サボっている)動物を旅行に連れて行ってください」
これだけは最初にコマを手渡しません。
旅行に行っている数が一番少ない動物をプレイヤーが宣言し、そのコマを他の人から受け取ります。
そして、そのコマをボード上に置きます(写真では0匹だったウサギを受け取って配置)。
・一番少ない動物が同数がある場合は、プレイヤーが選択できます。
・置くルールは「旅行カード」と同じです
置くのを失敗したり、成功してもライン上の微妙な位置に動物コマがあったら、
手番終了後に正しい旅行地のライン内に置きなおします。
動物の種類を間違った場合でも、手番終了後に、その動物を正しい旅行地に置きなおします。
◆「農民カード(別名:男の子カード)」

左の人は、農民コマを手渡してこう言います。
「私を旅行に連れて行ってください」(出発カードと同じ台詞です)
農民コマを一番動物が多い旅行地に連れていきます。
(写真では2つあるブタコマがある旅行地に置いています)
・同数の場合は、好きな動物を選択できます。
・置くルールは「旅行カード」と同じです
コマを置いた後は、目隠しを外し、
農民コマと、そこにある動物すべてを回収して「コマ置き場」に戻します。
(農民が迎えに来たという設定ですかね。間違っても売るために回収しにきたと考えてはいけません…)
・間違って農民コマを置いた場合、動物コマは戻さずに農民コマだけを「コマ置き場」に戻します。
◆「地球回転カード」

慣れた人向けのヴァリアントルールカード。
これが出たら、地球を時計まわりに90度回転させます。
プレイヤーは一旦、目隠しを外して地図を再度確認した後、すぐに次のカードに挑戦しなくてはなりません。
○その他の公式ヴァリアント
・ボードに触れることはNGです
・動物の認識は片手だけで行います
・8回で足りないと思ったら、それ以上の回数でゲームをやっても良いでしょう
◎プレイレポート
公式ヴァリアント「ボード触れNG」「動物認識は片手のみ」「地球回転カード」を採用。
このゲームは、映像記憶が得意な妻がめっぽう強くて、勝ったことないんですよね…。

初期配置。
手前が妻(先手)で、奥側が私(後手)です。

序盤は省略。
互いに5枚を成功させましたが、余裕の妻に対して、私はラインギリギリとか微妙な感じで何とかクリアしています(汗)

と思ってたら、妻が農民コマ配置時に、他の動物を倒してしまう珍しいミス。
これは大チャンス!

と思ったら、私が「寝てるカード」でウサギコマを配置する時に、間違って羊の群れに置いてしまいました…。
この前に「地球回転カード」が出たので、すっかり位置を錯誤してしまいました(汗)

妻は8枚目の「羊を戻す」も難なくクリア。7枚獲得で自分の番を終えました。

私も1ミスなので、これを成功させれば延長戦…。と思ったら、ウサギコマが届かないという痛恨の失敗!
これで私の負けです。
(※ウチでは、同点の場合はサドンデス延長戦をするというハウスルールにしています)

最終結果。
7対6で妻の勝ち。今回はみすみすチャンスを逃したので悔しいですね…。
◎総評
とてもユニークで楽しいゲームです。キャラクターが可愛いのもグッド!(個人的にはこれだけで買う気になりました)
記憶ゲームは長女が苦手なのですが、このゲームは毎回、自分の手番前に記憶し直すことができるので、楽しく遊ぶことができるようです。
ただ目隠しが見えやすいのは欠点で、うちの長女のように勝利にこだわる人は、つい隙間からのぞいてしまうことでしょう(汗)
よって、別の目隠しの準備は必須と言えますね。
またカードが言語依存していない分、カードの内容を覚える必要がありますので、そこがちょっと難しいかなと考えます。
大人が参加していればフォローできますが、そうでなければ、読み上げる言葉の一覧などが必要かもしれません。
また、失敗した時の例外処理なども含めると、子供だけで完璧にプレイするのは難しいかもしれませんが、そのあたりは多少間違っても気にせずにアバウトに遊んだ方が良いかもしれませんね。
尚、うちの妻など、ほぼパーフェクトにプレイする人向けには
・最初に覚える時間を設けない
・ライン内にきっちり載せないとNG
・「最多」と「最少」のコマ指定は、全ての動物を宣言してから行動しないとNG
・他のコマに触れてしまったらNG
などが厳しいハンデになると思われます。
逆に苦手な子供には
・慣れるまで、手渡した動物コマの名前は教えてあげる
・旅行地にヒントをあげる(「寒い国」や「上の方」など)
・他のコマを倒しても、ある程度はOK
・上手くコマが立たなくてもOK
・最後の問題は得点が3倍(笑)
などでハンデをつけて上げると良いでしょう。
ドイツ年間ゲーム大賞は残念ながらノミネートどまりでしたが、個人的には何らかの賞をあげたいぐらいの新機軸ゲームだと思います。
ただ「目隠し」という残新な要素の割には、「記憶ゲーム」かつ「コツコツ点数を重ねるタイプ」のため、福笑いのような爆笑は少なく、けっこう静かで地味目な展開になりがちなのは子供向けとしてマイナスですかね。
どちらかと言うと大人に受けそうなデザインで、仲の良い同士なら「もっと右!」とかニセ情報を周りで叫んだりすると盛り上がるかもしれません(笑)
と言う訳で評価となると8を出したいところ我慢して、7あたりが妥当ですかね。
○オマケ

コマを使ってバランスゲーム。なかなか苦戦しました。
次女もコマを使って、ママゴトをやっていたりします(笑)
次回は「カルカソンヌ拡張」「ゴーストハンター」「デラックスピット」あたりを予定しています。
この記事へのコメント
過去記事にお邪魔いたします!
どうぶつ旅行案内を購入したのですが日本語のルールが入っていなくて検索した中でこちらのブログがいちばん丁寧でわかりやすかったです!印刷させていただき早速保存版で箱に収納させていただきました。
ありがとうございました!
私のつたないブログでリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
どうぶつ旅行案内を購入したのですが日本語のルールが入っていなくて検索した中でこちらのブログがいちばん丁寧でわかりやすかったです!印刷させていただき早速保存版で箱に収納させていただきました。
ありがとうございました!
私のつたないブログでリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
>はちごんさん
初めまして!当ブログがお役に立ったようで嬉しいです。
というか昔はこんなに詳しくルール書いていたんですね。自分でも吃驚しました(笑)
多分、自分も日本語ルールがなかったために、マニュアルを訳しながら自分用にまとめていたと思います。なので抜けはないはずですが。
さて、どうぶつ旅行案内、私や長女は大好きで、子どもゲーム賞にもノミネートした名作なのに、ルールが独特なせいか全然話題に上がらなかったですね。しかもselecta社のゲーム撤退で生産されないかも……残念なことです。
リンクの件ですが当然OKです!
更新が遅いブログですが、どうぞよろしくお願いいたします。
初めまして!当ブログがお役に立ったようで嬉しいです。
というか昔はこんなに詳しくルール書いていたんですね。自分でも吃驚しました(笑)
多分、自分も日本語ルールがなかったために、マニュアルを訳しながら自分用にまとめていたと思います。なので抜けはないはずですが。
さて、どうぶつ旅行案内、私や長女は大好きで、子どもゲーム賞にもノミネートした名作なのに、ルールが独特なせいか全然話題に上がらなかったですね。しかもselecta社のゲーム撤退で生産されないかも……残念なことです。
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更新が遅いブログですが、どうぞよろしくお願いいたします。
2012/02/25(土) 01:16:30 | URL | ぐんま #790CxkE6[ 編集]
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